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明石国行 Bad End
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あの後、私達は無事に政府へと逃げる事ができ、本丸も以前の姿へと戻った。 活気を取り戻した刀達の中に、一番感謝を伝えたかった彼の姿はない。 戦いの跡地にいたのは、気絶した今剣だけだった。 唯一彼がいた事を証明するものは、その場に滴り落ちていた鈍い赤色のみ。 「あるじさま!!」 「今剣!?」 だだだっと荒い足音を立てて走ってきたのは事件の後からずっと眠り続けていた今剣だった。 「も、もう大丈夫なの?!体、どこか痛く……」 「うわああああん!!!あるじさまあああ!!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!!!」 がばりと抱きついて泣きわめく今剣からは、あの狂気は感じられない。 この刀も助かったんだと嬉しくなって、背中をぽんぽんと叩く。 彼があの時そうしてくれたように。 「あるじさまっ!ぐすっ、あ、あかしが!あかしくにゆきがっ!!」 泣きながら一生懸命伝えようとする今剣の口をそっと手で塞ぐ。 その瞬間、今剣の顔が絶望に染まった。 気づいたのだろう。私が”結末”を知っていることに。 優しい彼のことだ、きっと全てを引き受けて 今度は誰にも被害を出さないようにここを出たのだろう。落ちていた赤が外へと続いていたのが証拠だ。 今は、ゆっくり休んで。 絶対に迎えに行くから。 たとえその身が朽ち果てていようとも、憎悪にまみれた怪物になっていようとも。 私は貴方を見つけ出す、絶対に。 * Bad End * continued? → https://nana-music.com/sounds/040bbbfa/

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