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明石国行
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絶望を確信したその時。 私の服の中から光の塊が飛び出した。 最初の部屋で拾った、お守りだ。 それは目を瞑ってしまうほど眩く光ってふわりと消えた。 「なぜ……なぜ!!!」 「は…はっ、あかんわほんま、負けられへんようになってしもうたな」 目を限界まで開き、現状を信じられないというふうに叫ぶ今剣。 それから、同じように信じられないという顔をした──体に全くの傷がない明石国行がそこにいた。 「おーおー。これで思う存分やれますわ。なあ?」 「っ!だまりなさい!どうせけっかはおなじこと!!おまえをころす!!」 余裕を取り戻したのか、チラとこちらをみていつも戦場で浮かべるような表情をする明石が、今度は全く罅の入っていない綺麗な刃をかまえた。 苛立たしいと全身で伝える今剣が、明石へ刃を振り下ろすも、それを真正面から受け止め、払う。 今度は明石が攻める。 のらりくらりとした太刀筋はどうも読みづらいらしく、今まで押していた今剣が逆に押されはじめていた。 「どないしたん?えらい防戦一方やん。」 「だまれ…!!だまれだまれ!!!」 キン!と甲高い音が鳴り響いた。 「ぼくは、まだ…まだ…!いやだ…まけたくない…!!」 焦りをみせた今剣がガキンガキンと、大振りの一撃を繰り返す。 「ぼくは!!」 「すまんな。」 最後の一撃。 しかしそれが振り下ろされる前に、今剣の本体は弾き飛ばされた。 → https://nana-music.com/sounds/0442db55/

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