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明石国行
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辿り着いたゲートは、普段のように作動しており、そのまま流れるようにゲート内へ飛び込み政府へと転送してもらった。 「と、とりあえず!事情を説明しないと!そ、それから、今剣を治してもらって、えっと、えっと」 「主さん!今剣は俺達が運んでいくからさ!」 「そうそう、事情説明も俺達がやるから。」 「二人はここにいてくれよな!」 蛍丸が今剣を担ぎ、愛染が明石から政府へ説明しなければいけないことを教えている光景をぼんやりとながめる。 そして二振りが立ち去る際、ぱちりと可愛らしくウィンクしたのは、自覚したてのこの気持ちがバレているからなのだろうかと別の意味でドキリとした。 その小さな背が見えなくなった時、ぽんと頭の上に手がのせられる。 「あ、明石?」 「ほんま、ようがんばったな。怖かったやろうに。」 えらいえらいと撫でられるじんわりとした温かさに目の前が滲む。 「っ、ひぐっ……ぅっ……」 「泣いてええんやで、いっぱい我慢したもんな?」 「ぐすっ…っあああああん!!!」 思いきり目の前の体に抱きついて、みっともなく大声で泣いた。 怖かった、死んじゃうかと思った、でもみんながいなくなっちゃうのはもっと嫌で、何より怖かったのは…… 「っ!あ”か”し”!!お”、折れちゃう”か”と思った”!!!!!うあああああん!!!!」 「おーおー、えらいすんまへん。でも自分、ここにおるで?な?」 「う”ん”!!!い”る!!!」 さらにぎゅっと抱きつけば、あちらからも力強く抱きしめられた。 涙はとめどなく出るのに、胸がドキドキ苦しくて仕方がない。 すごく、幸せだ。 「…主はん。」 しばらくして私が落ち着くと、今度は真面目な顔で明石が呼んだ。 不思議な色合いのその瞳に見つめられると、さらに心臓が忙しなく音を立てる。 「自分……主はんに言わないかんことがあるんや。」 「な、何?明石」 → https://nana-music.com/sounds/0442da9c/

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