
明石国行
あれから数日、本丸は以前の活気を取り戻しつつあった。 今剣も、目が覚めてからすぐに皆へ謝り、今は元気に遊びまわっている。 重傷だった刀剣達も、出陣こそできないが、大方普通に生活出来ている。 ただ一つ、私の中で変わったことといえば。 「明石!」 「なんや、主はん。」 あの事件の中、最初から最後までずっと一緒にいてくれたこの刀と恋仲になったことだろう。 「あ、う…や、やっぱ、なんでもないや!」 「おー。」 どうしても恥ずかしくて、未だに会話すらまともに出来ないのだが。 名前を呼んで返事が返ってくるだけでほっぺが熱をもってしまう。 でも、これだけはちゃんと言わないとと思ってやはりもう一度明石の方へ向き直る。 「あ、あのね!」 「おー。」 「えっと…ありがとう!いっぱい助けてくれて!励ましてくれて!」 「別にええって、主はんも、蛍達も頑張ってましたやん。」 そうやって、彼らの保護者としての顔で笑うのがどうもムッときて、ほんの少し意趣返しがしたくなった。 「っそれから!だ、大好きだよ!国行!」 ちゅっと軽い音をたてて頬に口付けをした。 → https://nana-music.com/sounds/0442da0a/
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