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鶴丸国永
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一抹の不安。 私は鶴丸のそばへ駆け寄った。 何かに抗っているような苦しげな声と、けたけたけたというそれの声。 私は鶴丸に御札を貼り付ける。 ほんの少しでも力になればと思ってのことだが、どうやら効果があったらしい。 じわじわと侵食してきていた瘴気が抜け、持てる力を全て攻撃に回し、それをどんどん追い込んでいく。 突然押されるようになったことに戸惑ったのか、それは押され続けるのみになり、けたけた笑いが止まった。 途端、鶴丸が一気に仕掛けた。 鍔迫り合いの状態から全力で刀を振り抜いたのだ。 それは為す術なく壁まで吹き飛ばされ、叩きつけられた。 反撃しようと起き上がるそれを、すかさず鶴丸が抑え込む。 「主!今だ!」 返事をする前に、私は飛び出していた。 また鶴丸が飲まれる前に。 逃げ出そうとして藻掻くそれに御札を貼り付ける。 ぶわり、と瘴気がそれから飛び出し、溶けるように消えていく。 それも例にたがわず意識を無くしたのか、ぐったりと動かなくなっていた。 本丸に漂っていた禍々しい気配はいつの間にか無くなっていた。 → https://nana-music.com/sounds/0441210b/

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