
鶴丸国永
「主、覚悟も何ももうないが一応聞いておこう。覚悟はいいかい?」 私は頷くしかなかった。 こんな所でうじうじしていたって死ぬだけだ。 ならせめてやれることだけはやってやろうじゃないか。 「はは、死ぬつもりなのかい?」 茶々を入れてくる鶴丸の声は、どことなく緊張していた。 自分もあの仲間入り、もしくは折れるかするかもしれないのだから仕方ない。 「ふう、笑ってる場合じゃないか。……死ぬなよ、主」 今は敵となったかつての味方を射抜くような鋭い眼光が、今は何故だろうか、安心感を与えてくれる。 覚悟を決め、いざ。 私達は敵の中に飛び込む。 駆け出すとともに次から次へと襲ってくる彼らは、さながらゾンビ映画のワンシーンを思わせる。 突貫で作った御札は、今のところ望んでいた効果を発揮していた。 御札を貼り付けた刀剣男士は、どういう訳か意識を失って倒れてしまうので、確認もくそもあったもんじゃないが。 まあ、急に正気に戻られて普段通り接せられてもなんというか怖い。 今はひとまず、これで対抗するしかない。 鶴丸はといえば、刀を抜いてはいるものの峰打ちに留めているようで、預けておいた即席の御札を隙を見て貼り続けていた。 → https://nana-music.com/sounds/0441244d/
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