
三日月宗近 Bad End1
赤い目の獣
「随分と探しましたよ。」 足音の主は小狐丸だった。にこやかな笑顔は普段通りのものに見えるが、その右手には確りと刀が握られており、何よりも、目が、獲物を仕留め殺し我がものにせんとする時と同じ、爛々とした輝きを放っていた。 「さあ、ぬしさま。宗近さま、こちらへ。」 小狐丸が左手を差し出す。いつもと変わらない、目を細めた人懐っこい笑みを浮かべて。 この手を取ってはいけない 直感が、理性が、心が、全身がそう思考した。間違いなく小狐丸は敵であり、手を伸ばしたが最後、自身の命は無いと、無意識に理解した。 恐怖に震える手で、縋るように三日月の服を掴み、彼の後ろに隠れる。三日月は私を自分の影に隠すようにしながら、その太刀の切っ先を小狐丸に向けた。 「すまんが、主は渡せぬな。」 「そうですか。では、」 刹那、目の前が赤に染まる。三日月の蒼い衣は彼自身の血によって赤黒く変わり、視界いっぱいに、赤い、紅い、獣の、瞳が、迫って 「ごちそうさまでした、ぬしさま♡」 * Bad End1 * continued? → https://nana-music.com/sounds/040bbb19/
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