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今剣 Bad End
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あと1分。 「あるじさま、ざんねんでしたね」 最後の一振りが見つからないまま、あと1分になってしまった。 既に覚悟は決めている。 「もうちょっとで、みんなすくえたのに」 あと30秒。 「でも、だいじょうぶですよ、またやりなおしましょう。あたらしい、あるじさまになって」 今剣が、私へ駆けてくる。私は、諦めに似た心地で、それを受け止めた。 視界が歪む。 熱い。 今剣を受け止めたところから、どくどくと熱いものが流れ出す。そのまま、体が冷たくなっていく。 「さよなら、あるじさま」 今剣が、ガラス玉のような赤い瞳を私に向けてきた。 今剣、大丈夫だよ。 きっと、次の私がなんとかしてくれる。 血を失い、冷えていく体を傾けながら、私は彼を見た。彼は、血の垂れた短刀を片手に、諦めにも似た表情で私を見下ろしていた。 私は口だけを動かして。届かない手を彼に向けて。 残された一振りに詫びる。次こそは、次こそは貴方を助け出して見せるから、だから…。 ご め ん ね 。 * Bad End * continued? → https://nana-music.com/sounds/0419a159/

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