
明石国行
そうだ、ゲートは閉まっていた。 一度明石と合流する前に行ってみたのだが、黒い靄が邪魔をして通れやしなかったじゃないか。 「どうしよう……おわった……」 顔を真っ青にして絶望感を露にしていると、不正解だというふうに横から呆れたため息をつかれた。 「アホか。ほんまにあかんかったら自分かていいまへん。それに言うたやろ、主はんにはやるべきことがあるて。」 「やるべきことったって…ゲートは閉まってたんだよ!?」 「閉まっとっただけか?もっと他に、原因になりそうなのがあったやろ。」 「原因………あっ!」 黒い靄! 与えれたヒントにピンときて、もう一度明石に言えば、今度は正解だったようで「せや」と褒めるような声音でかえされた。 「でも、黒い靄を…どうやって……?」 「あいつからもらった加護、まだあるの気づいとるか?」 加護、と言われて思い出すのは、先程の神託もどきの道案内だ。 しかしそれがどう役に立つのか…。 「カミサマの加護っちゅーんは、別に便利な道案内だけやおまへん。もっと使い方あるんやで?たとえば……人間の願い事を叶えてくれたりとかな。」 「ようするに、100%の確率で奇跡起こしてくれるっちゅー話っすわ。」 告げられた内容に思わず開いた口が塞がらない。 何そのチート。聞いてないんだけど! 「わかった…!やってみる!」 意識をぐっと集中する。 加護をくれた刀に心の中で御礼をいいながら 念じた。 ──扉が開きますように! → https://nana-music.com/sounds/043af796/
0コメント
ロード中
