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今剣
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審神者部屋には、小夜左文字が、一人静かに正座して座っていた。 「一人で来てくれたんだね」 彼の目は透き通るように青い。私はほっと胸をなでおろした。 「来たよ。でも、どうしたの? 私が浄化するために刀剣をあつめていること、知っていたんでしょう? 紙を忍ばせる事が出来たなら、私達のもとに普通に来てくれたら良かったのに」 小夜は、鋭い目線で私を射抜き、「落ち着いて聞いて欲しい」と言った。 「今剣は、嘘をついている。」 驚く私に、彼は続けて言った。 「あの子を、全面的に信じてはいけないよ。彼から目を離さないで」 「みんな助かるなんて道、ないんだよ」 彼は、その言葉を最後に、自ら顕現を解き、刀の姿になった。 どうやら、最後の力を振り絞って伝えに来てくれたらしい。その刀身はボロボロであった。取り残された私は、彼を手に取り、胸元で抱えながら、座り込む。 その言葉を受けて、私は何を感じたのか。 私は、今剣をどう思っているのか。 小夜の刀身に映る自分に対して自問自答した。 答えは、決まった。 「それでも、今剣を、信じたい」 → https://nana-music.com/sounds/043b0ae9/ 「いいや、きっと私が、みんな助けてみせるよ」 → https://nana-music.com/sounds/0438ed67/

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