
鶴丸国永
こんな時に何してくれてんだと叫びそうになったが、しーっ、と指を立てられた。 「驚かせたのは悪かった、謝るから今見つかるようなことをするのはやめてくれ」 私にだけ聞こえるような声音だった。 そっと抵抗を辞めると、鶴丸は口を塞いでいた手を退けてくれた。 山ほどある聞きたいことに鶴丸が淡々と答えてくれた。 曰く、原因は分からないが本丸が強い瘴気に包まれたのだそうだ。 時間が時間というのもあり、対応が遅れたのが悪かったようで、多くの刀剣男士達が瘴気に飲まれてしまった。 鶴丸のように何とか正気を保った刀剣男士は、身を隠しつつ私を探していたのだという。 「どうにか脱出出来ればいいんだが、俺達じゃあどうにもならなくてなぁ。なにか手立てとかは思いつくかい?」 そう聞かれ、何かないかと考える。 瘴気に飲まれたのであれば、刀剣男士から瘴気を弾き出せば元に戻るかもしれない。 そうするには私の霊力を流し込めばいいのだが、本丸の大部分が飲まれているのだとすれば、はっきり言ってきりがない。 「なるほど、ならここにあるもので使えそうなものを探すか」 鶴丸の提案に、私は乗るしかなかった。 → https://nana-music.com/sounds/043aff2d/
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