
【二人声劇】海落とされたピアノ。
少女()×ピアノ()
「どうか忘れないで。たいせつなお友達。」 ──── 少女 …性別不問。変える場合は表記の変更推奨。 ピアノ …性別不問。 ──── (ノイズがありますが、少女はノイズと会話するようにセリフを。ピアノは独り言のように。) (ノイズ) 少女「どうして、お父さん…!」(重ねて) ピアノ「僕はもう綺麗に歌えない。」(重ねて) (ノイズ) 少女「やだ、あの子を捨てないで!」(重ねて) ピアノ「それでも君は大切にしてくれた。」(重ねて) (ノイズ) 少女「あの子は、」(重ねて) ピアノ「だからもう、」(重ねて) (ノイズ) 少女「あの子は……お友達なの…」(重ねて) ピアノ「もう、十分だから。」(重ねて) (蒸気の音) 少女「この海には、ピアノが沈んでいる。」 (列車の音、汽笛) (ピアノ入り)(回想) ピアノ「ほら、弾いてみて」 少女「どー?」 ピアノ「そう、ド。上手上手」 少女「ねえ、ぴあの」 ピアノ「ん?」 少女「わたし、あなたのことずっと大切にする。きっと、きれいに弾いてあげる」 ピアノ「あはは、楽しみにしてるよ。」 少女「だってぴあのは、わたしの大切なおともだちだから──」 (波の音) 少女「私の言葉は届かなくて、ピアノは連れていかれてしまった。」 ピアノ「汽車に連れられて、僕は海へと沈められた。」 (無音) 少女「約束、守れなかった…」(同時に) ピアノ「だから、さいごに。」(同時に) (ピアノ、一音。) 少女「っ、この音、」 (曲入り) ピアノ「もう、泣かないでよ。」 少女「……ぴあ、の?」 ピアノ「大切にしてくれたこと、ちゃんと知ってるよ。」 少女「……っ、」 ピアノ「ありがとう。君のピアノに生まれて、よかった。」 ──────────── *お借りしたBGM ・DOVA-SYNDROME より 「lilac」written by ISAo. 様 「SAD」written by coro 様 編集:エマ * * * 参考にした物語は、「海に落ちたピアノ」というスウェーデンの童話です。 わたしの台本は結局違った話になりましたが、その童話はとってもきれいなおはなしでした。 綺麗事だとしても。 #声劇 #台本 #声劇台本 #掛け合い #エマの台本
