
今剣
「そんなの、できるわけないじゃない!」 その提案に、のるわけにはいかなかった。 「私が助けたいのは、今剣なのだから。まってて、今、考えるから。皆を助ける方法を…」 私の発言に、驚いたように目を見開く。 「要するに、沢山の瘴気を祓えばいいんだよね。今剣から瘴気をどこかへ抜いて 、それを祓うとか…。何へ抜けばいいの、瓶? もう、これこそ石切丸の専門なのに…」 必死で頭を巡らせる私。しかし、良い案が思いつかない。頭から湯気がでるほど考える私を見て、今剣がくすりと笑った。 「笑わないで。今剣も考えてよ!」 「ごめんなさい、あるじさまがかわいらしくておもわず」 今剣は、クスクスと本当に嬉しそうに笑った。邪気のない、彼らしい笑い方に、ほっとする。ここが瘴気の本丸であることが嘘のように、いつもの無邪気な彼の姿であった。 「だいじょうぶです、おかげでおもいつきました。よいほうほうを」 → https://nana-music.com/sounds/042df4b8/
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