nana

刀剣乱舞脱出ゲーム企画
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いた。 隣の部屋には、机に頬杖をついて座布団の上に座る石切丸がいる。電気もつけずに、自分に背を向けて、うつらうつらと船を漕ぐ彼。寝ているのだろうか。 さすがの御神刀、この非常時に呑気なものだと安心したが、ふと疑問がよぎる。 いくら穏やかな性格であるとはいえ、御神刀である彼が、この不穏な本丸でのんびりと居眠りしたりなどするのだろうか。 何かがおかしい。 息を潜めてじっと様子を伺う。1歩、1歩。彼に気づかれないように、近づいていく。 彼は頭を不規則なリズムで上下させている。やはり寝ているのだろうか。近づいてみると、彼が何かぼそぼそと呟いていることに気づいた。 1歩、また1歩。 「……う …… ………… う」 くぐもった声で、言葉を聞き取れない。 こくりこくりと首を動かす彼に近づき、ようやくその言葉を認識した時。 私は大きく息を呑み込んだ。 「…うん。…うん…。…うん」 彼が、こちらを振り向く。 赤い瞳が自分を捉える。 彼は最初から、寝ていなかったのだ。 彼は。 「…うん、そうするよ、主」 彼は。 見えない誰かに向かって、何度も相槌を打っていた。 → https://nana-music.com/sounds/0403cc76/

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