【短編小説】夏祭り⑥
古畑 時雄(Tokio Furuhata)
【短編小説】夏祭り⑥
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【短編小説】夏祭り⑥
お祭りの屋台で、おじさんから金魚すくいの網(ポイ)と椀を受け取った僕とサツキは、昔のように金魚すくいの勝負をする事になったのだ。そして僕がサツキにこう言葉を掛けた。
「サツキ… この勝負、勝ったらどうする?」
こう僕が言うと、サツキは僕に向かってこう言ったのだ。
「それじゃ、ハヤトくん。あんず飴を賭けて、勝負しようよ…」
こう嬉しそうにサツキは僕に答えた。その言葉を聴いた僕はサツキに向かって、こう言い返したのだ。
「サツキ… よーしわかった。サツキには負けないぞ!」
こう僕はサツキに言い、僕はサツキに良い所を見せようとデメキンの金魚ばかり狙って、すくおうとしたのだった。
するとサツキは僕に向かって、こう言ったのだ。
「ハヤトくん。その黒いデメキン、難しいよ…」
こうサツキが僕に言うと、僕はサツキに向かってこんな風に言った。
「 サツキ… 俺の方が上手いから、これはハンデだよ!」
こう真剣な眼差しで、僕はサツキに答えたのだ。その時、既にサツキは二匹の赤い金魚をすくって居たのだった。
しかし僕は、サツキに良い所を魅せたい一心でデメキンばかり狙い、一匹の金魚もすくう事が出来なかったのであった。
つづく…
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