nana

【朗読台本】拝啓、愛を込めて
697
18
コメント数8
0

とある劇作家の男が綴った 回りくどくて鬱陶しい、不器用な愛の第一幕 __________________ 「あなたの好きなものはなぁに?」 言葉を紡ぐ 集める 描き出す 零す 溢れる その情景は 心理は 色は、 表現の最適解は どこにあるんだ 「そんなもの ただの文字列でしかない」 分かっている 解りたくはないけれど それでも この美しいものたちに 魅入られてしまった僕は 息をするように 言葉に溺れたがる 「可哀想な人だね。とても哀れな人。」 そう呟く君の声は 彩に満ち溢れていた 君の声が僕をなぞる この稚拙な世界を 僕を 、なぞる 丁寧に 組み直すように ゆっくりと あぁ、君の彩るその世界こそが 僕が行きたかった場所 目指した世界 涙が出る 笑みがこぼれる 感情を揺さぶられる 心奪われる 『あぁ、僕は幸せ者だ』 言葉の深くまで溺れ、 行き着く先で呼吸の仕方を覚えた この幸福が恐ろしいほど愛おしくて 僕はかさついた指のその先で 少しだけ触れて 眠りについた …………………………………………………… 言葉のもたらす力、音によって千変万化。 君の声を聴かせて 綴るだけじゃあ足らないんだ。 君の声を聴かせて 溺れた僕に 君の酸素を届けて。 台本として、何故だか読む方に向けて 書き手の心情のようななにか(?)を 形にしてみた…ようです。実はこれ過去作なので、 解釈やいつものキャプション芸は 過去のわたしに。 シュリ様の素敵な音をお借りしました。 #シュリオリジナル #シュリBGM #卯木の台本

8コメント
ロード中