§幻想舞踏会§ 第三十八話~「雨音が響いていますね」~
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§幻想舞踏会§ 第三十八話~「雨音が響いていますね」~
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第三十八話~「雨音が響いていますね」~
星空が輝く夜の青ノ拠点島。
その中央に位置する隊士達の拠点となる施設は、窓から洩れる光によってその輪郭を闇夜に映し出していた。
「そうま、ちょっと話がある。今大丈夫か?」
1階の共有スペースにある椅子へ腰をかけて本を読むそうまの後ろから、ボブが声をかける。
ボブの様子を横目で見ると、本を降ろし笑顔を向けた。
「うん、いいよー。」
ボブは周囲を見渡し他の隊士がいない事を確認すると正面の椅子へと座る。
肘をたてた手に額を付けると、言葉を選ぶように話し出した。
「そうまも知っている通り、俺は植物と話せるだろ?」
「そうだね~」
「実は先日…、
姫様が普段から身に付けている青い薔薇のコサージュに触れてしまって…。
込められた思いを読み取ってしまったんだ。
光姫様の辛い過去…おそらく誰にも見られたくなかったであろうものだ。
見るつもりはなかったんだ本当に!
ただ…
どうすればいいかな。
このまま何も無かったように接するのも…かと言って知られたくなかっただろうし…。」
そうまは、腕を組み溜息をひとつつく。
「なるほどねー…。
姫様も色々と抱えていたんだね。
けど、ボブがこれからどうしたらいいかは僕が決めることじゃないよ。
ボブがどうしたいのか考えるべきだと思うよ?」
「そうなんだが…なにぶんこういったことは今まで経験なくてな…。」
ボブはブツブツと独り言のように悩んでいる。
そうまは幼馴染の今までにない様子を、含みのある笑顔で見守っていた。
ふと何かに気が付いたように、そうまは首を傾げる。
「…って言うか、なんで姫様は島の端にいたの?」
「ん?えーと…
確か下の様子を眺めていたと仰っていたような気がする。
どうしてそんなことを?」
ボブの返答に口元へ手を当てて考える。
(ってことは、今も…?)
「んー、ちょっと気になっただけー☆」
そうまは読みかけの本に栞を挟み込み、机にそのまま置くと立ち上がる。
笑顔で手をヒラヒラと振りながら入口へと向かった。
「僕ちょっと出かけてくるね」
「ん?お、おう…いってらっしゃい。」
足早に外へと出ると空を見上げた。
雲一つない夜空には星が沢山散りばめられている。
大陸の市街地と違い、街灯の少ないこの島から見上げる夜空は、どこで見るよりも美しかった。
そうまは、夜の広場へと繰り出す。
静まり返った広場には、そうまの駆け足だけが軽やかに響いていた。
~~~
そうまは迷う事無く、ある方角の島端へとかける。
予想した通り、そこにはそうまの探す人物が1人、静かに立っていた。
光姫はボブが探し出した時と同じように、下をじっと見つめ続けていた。
そうまは、息を整えいつもの笑顔を作ると、光姫へと近寄った。
「あ、姫様~
やっぱりここにいらっしゃったんですねー」
「あら…?」
先ほどまで大陸を見つめていた真剣な表情が一転し、光姫は笑顔を見せる。
「そうまさん、こんばんは。
こんな遅くにどうされたんですか?」
そうまは光姫の隣へ立ち、彼女と同じように大陸を見下ろしてみる。
しかし感知能力のないそうまの目に映るものは、黒くそびえ立つ巨山と小さく細かに見える街の光だけだった。
「…こうやって下を見て、何を見極めていらっしゃるのですか?」
「………。」
光姫はそうまの問いかけに驚いた表情を見せると、困ったように黙り込んでしまった。
~~~
ボブはそうまが拠点を出て行った後、自室へ戻り植物の手入れを行っていた。
しかしどうにも捗らない。
「………。」
(…なんかアイツの態度が気になるな。ちょっと探しに行くか…)
枝切り鋏を机に置くと、ボブは身支度を整え部屋を出て行った。
~~~
そうまは黙り込んでしまった光姫の横顔を見つめる。
(…最近は、姫様にこんな顔しかさせてないな僕…いや僕達は…。)
「…姫様は、覚えていますか?
先代の王は、青ノ国の国立大学現理事長である僕の父だったこと。」
そうまは優しい声で思い出話を切り出す。
光姫は隣に立つ青年の心遣いを感じた。
(…優しい子。話題を変えてくれるのね。)
「ええ、覚えていますよ。
任期を終えて理事長になったとは聞いてましたが…
息子想いの素晴らしいお方でした。」
懐かしい情景を思い出すかのように目を細める。
そうまの表情に喜びの色が映った。
「僕も今でもちゃんと覚えてます。
幼い時、父に連れられて行った白ノ国との交流会で出会った姫様のお母様…
…そして、姫様自身を。
その場の空気に馴染めなくて父の後ろに隠れていた僕に、笑顔で手を差し伸べてくれましたよね。
姫様はそれも覚えていてくれたりしますか?」
頬を指で掻きながら照れくさそうに尋ねる。
そんな様子に光姫は小さく笑った。
青ノ国の王は国民投票で10年毎に王が変わる。
そうまの父親は前期の投票時、王へと選ばれたのだった。
10年前、
父親である王に連れられて訪ねた白ノ国での交流会。
そうまは突然の見慣れない異国の景色に加え、
沢山の声が飛び交う大きな空間、
そして様々な思惑を裏に忍ばせた大人達の笑顔に完全に委縮していた。
父親である王の後ろにピッタリとくっつき、縮こまる。
耳に入ってくる内容は難しすぎて聞き取れない。
初めての社交場に、そうまはただ父親とはぐれないよう必死になっていた。
父親の足が止まり、柔らかな女声の声が聞こえてくる。
その声は何かに気が付いた様子で自分の方へと近づいてきた。
そして、目の前に現れた自分よりいくつか年上であろう少女は、笑顔で手を差し出してきた。
「はじめまして、あなたのお名前は?」
聴き取りやすいようにとゆっくりと話してくれたその声の優しさと、
あどけなさの中に気品が漂うその笑顔は、幼いそうまの思い出に強く刻まれていた。
「もちろんそちらも覚えていますよ。
まさか、あんな小さく可愛らしかった子と
この島で隊長として再会するとは思っていませんでした。
流石前期の王の御子息、王の器をしっかりと持って成長しましたね。」
光姫の笑顔が向けられ、そうまは照れくさそうに笑う。
「僕としては、ボブの方が王に相応しいと思ってたりするんですけどねw」
「そう、ですか…。」
光姫はボブという単語に、先日の青い薔薇の出来事を思い出し、無意識に声が沈む。
(………きっと、私の記憶を見て彼には嫌悪されたでしょうね…。)
沈黙が再び訪れてしまった。
そんな光姫の様子に、そうまの胸に秘めた感情が動きだす。
「…姫様は、ボブの事どう思っているんですか?」
「………そうですね。
まだまだ青い子って所かしら…。」
遠くの地平線を見つめる彼女から、ぼやくような答えが返ってくる。
「そっか…じゃあ、…僕は?
僕の事はどう思いますか?」
そうまの頬の色は、夜のせいで見えていない。
光姫は笑顔で返す。
「そうまさんは、彼よりもずっと王に近いですよ。」
「そうじゃなくて…」
「…え?」
胸の内に隠していたはずの気持ちが顔を出す。
その気持ちは言葉となり、目の前の光姫へと溢れていった。
「姫様。
僕が王になろうと頑張ってたのは、
[姫様と対等な立場になりたかったから]
……それだけの理由なんです。
10年前…あの交流会の日からずっと。
…僕に優しく手を差し伸べてくれた姫様とお話が出来るように、
隣に立つのに相応しい人間になりたかったんです。」
作り慣れているはずの笑顔がどこかへ消えてしまう。
ただ真っ直ぐに、光姫を見つめた。
。。。
あの日、交流会が終わり国へ帰った後もそうまの脳裏には手を差し伸べてくれた少女の笑顔が離れなかった。
「…お父さん。」
「なんだ?」
そうまは小さいながらに理解していた。
あの少女は特別な人しか会う事が許されない人物なのだと。
自分が「現王の息子」だから会えたという事を。
「お父さんが王様でいられるのは10年なんだよね?そしたら次は僕が王様になれる?」
「はっはっは、残念ながらこの国は父さんの息子だからってなれる訳じゃないんだ。」
今まで一度も興味を示したことの無かったそうまが、
「王」のことについて初めて質問をしてきた事を父親は喜んだ。
「どうすれば王様になれる?」
「そうだな…少なくとも大学で頑張って勉強しないといけないな。」
「…うん、わかった。」
。。。
「そうま、聞いたか?」
「ん?何を?」
ボブが勉強しているそうまへと新聞片手に寄ってくる。
「白ノ国の先代光姫様、亡くなられたらしいぞ。」
「…そうなの?」
渡された新聞を読む。
そこには「光姫」となって間もない姫が、静かに目を閉じ、墓石の前で祈りを捧げている写真が大きく見出しとして取り上げられていた。
誰もが悲しみ頭を垂れる中、背筋を伸ばし祈る姫の姿を見る。
「…笑顔がないね。」
「そりゃそうだろ。」
笑顔は人の心を癒す。それはそうまの持論となっていた。
光姫の笑顔で確かに癒されたのを覚えている。
そうまは飄々とした性格となじむように常に笑顔を作るようになった。
いつか会える時、あの時の姫のように、笑顔を返せるよう。
~~~
「………そうまさん…。」
「実は『王』というもの自体には、あんまり興味なかったんです。
僕が頑張ってきた理由はそれだけだった…。
なのに…
貴女と対等になるために頑張ってきたのに、
その『王』として動くために僕は…
…今回の選択で貴女を犠牲にしようとしてる。
姫様…
僕はあなたのことが…」
光姫はゆっくりそうまの元へ近づくと、笑顔で人差し指をそうまの口元へと優しく当てた。
「…そうまさん。ストップです。」
「でも…」
光姫は笑顔で続ける。
「大丈夫。
貴方のその『選択』は間違っていません。
気に病む必要なんてありませんよ。
…そして、ごめんなさい。
私はその気持ちには答えられない。
…。
だって私には、
もう残された時間なんて…ないのですから…。」
寂しげに微笑むその笑顔に、そうまの胸は締め付けられた。
口元に置かれた手をとり、握りしめる。
「では、もし…。
…もし姫様に、『これから』があるなのなら、
その時は僕の気持ちに応えてくれますか?」
「…それは、………?」
掴んだ光姫の手がピクリと動く。
困惑するかのように言葉を詰まらせる彼女の表情を、そうまは見逃さなかった。
(姫様。…今、一体誰の顔が浮かんだんですか…?
………なんて、もう解りきってる事か。)
そうまは握るその手をゆっくりと放した。
「…変なことを聞いてすみません。
何となく、そんな気はしてました。
姫様はボブとよく似ていますね?
とってもピュアで優しい。」
「いえ…謝らないで下さい。
…って、あんな青い子と似ているだなんて心外ですよ?」
「一応、褒め言葉のつもりです☆」
「ならばもっと素敵な言葉で褒めてほしいものですね?」
納得と言わんばかりに光姫の顔がふくれる。
そうまの顔には笑顔が戻っていた。
「今夜はもう拠点へ帰りましょう。
入口まで送りますよ。」
そうまが高くのぼった月を見上げながら提案し、手を差し出す。
光姫は申し訳なさそうに応える。
「良いのですか?
…お手数おかけしてすみません。」
(一人ではもう満足に動けないなんて情けない話…。)
光姫はゆっくりと手を置いた。
「いえいえ、構いませんよ。
むしろ、あんな話のあとだから気を使って断られたらどうしようかと思ってましたー。
まぁ、今回は姫様の体調も万全ではなさそうなので拒否されても抱えて飛びますけど☆
ってことで、また飛ぶので捕まっててくださいねー!」
置かれた手を握りしめ、
そのまま軽々と抱き寄せる。
歌を奏でると、風が2人を包み込んだ。
「なっ?!えっ…ちょっと?!」
光姫の驚きすらも面白可笑しいと言わんばかりの笑顔で、そうまは空へと飛びあがった。
~~~
「そうまはどこにいるんだ…あの金髪だからすぐに分かるんだが…。」
ボブは広場で見慣れた幼馴染の姿を探していた。
(だいたいあいつが思いついたって顔した時はろくなことが…ん?)
風音がボブの耳にかすかに聞こえてくる。
「…白ノ拠点島の方か?」
音を頼りに駆け出した。
~~~
(…ん?あれは…)
上空から広場を見下ろす。
そこにはきょろきょろと周囲を見渡すボブの姿があった。
(あ、ボブ来てる。気になって探しにきちゃったんだろうなーww
うーん、音で気付かれるだろうけど…まいっか☆)
そのまま速度を落としながら白ノ拠点島へと繋がる橋の入口に着地する。
「はい、到着しましたよー!」
そうまが光姫をゆっくりと地面へ降ろす。
「…送って下さりありがとうございました。そうまさん」
「いえいえ、このくらいどうってことないですよ~」
申し訳なさそうにする光姫に、笑顔で応える。
~~~
ボブは音を頼りに白ノ拠点島前へと来ると、空から光姫を抱いたそうまが降りてきた。
(は?!光姫様と一緒!?
またあの時のように飛んで…あいつ…
止めに行きたいが、しかし…)
先日のそうまの言葉が思い出される。
―…次の王の座も、姫様もお前にはやらない。
ため息が無意識に漏れた。
そうまと光姫は、なにやらやりとりをしている。
それなりに距離もあるせいか、声はまったく聞こえなかった。
(俺が出る幕ではないし…かと言ってこのまま見てるのも…。
だいたい何喋ってるんだ!
遠すぎて声まで聞き取れん!
そうまのこと気にしてて種も忘れてきたし…)
~~~
「あ、姫様!
僕が今日言ったことは全部忘れてくれて良いですよ。
ボブに覚悟決めたらキューピットしてやるって約束しちゃったから、
姫様の気持ちを確かめたいなーなんて思っちゃいました☆」
そうまがあっけからんと言葉にする。
光姫は不思議そうに首を傾げた。
「キューピッドの件はちょっとよく解らないのですが…。
忘れるだなんて事、しません。
私は、貴方の想いを、言葉を、無かった事になんてしません。」
(たとえ貴方がいつか忘れても…私にとってこの島の出来事は大切な思い出だから…)
感謝と喜びを込めた笑顔で優しく微笑む。
その笑顔は、そうまの記憶に刻まれたあの日の少女と全く同じだった。
熱いものが喉元まで込み上げる。
「ありがとうございます…。
姫様は優しいですね。」
そうまはチラリとボブの方を横目で見る。
ボブは隠れているつもりなのか、木の陰にいた。
「…ごめんなさい。
最後にひとつだけ良いですか?」
「ん?一体何でしょうか?」
そうまは、ボブへ自身の背中しか見えないように光姫の肩を抱き寄せる。
そのまま頬へと優しいキスをひとつ落とした。
ゆっくりと顔を上げる。
光姫はしばらく固まっていたかと思うと、一瞬にして顔を真っ赤にした。
「すみません、やっぱり素直にキューピットするのもムカつくので☆
また明日!
とりあえずボブには色々嫌がらせしときますねー☆」
何事も無かったように、振る舞うそうまの様子に光姫も顔を赤らめつつ笑い出す。
「…ふふっ、それは是非私も見物したいので、
ぜひ広場でお願いしますね。
では、おやすみなさい。」
光姫はゆっくりと橋を歩き、拠点へと戻って行った。
その背中をそうまは笑顔で見送る。
そして、独り言のようにつぶやいた。
「………。
雨音が響いていますね
もう少しの間だけ、
この雨が止まないでいてくれますように…
…なんてね。
雨なんて降ってないんだけど☆
さて帰ろうかな」
(僕は、僕なりの方法でお傍にいさせてもらいます。姫様。)
~~~
(しかし何があったんだ…近くないか距離が?!
…チッ、モヤモヤする…)
2人の仲睦まじい様子にボブは脳内で葛藤していた。
(これはもう出ていっても…それとも気づかなかった振りして帰るか…)
もちろん覗き見が良くないのはわかっている。
しかし、身体が言う事を聞いてくれない。
ボブはもう一度2人の方向を見る。
すると、そうまが光姫の肩を抱き寄せたかと思うと、2人の顔が重なった。
(………は
はぁ!?!?
あいつ今何した?!
おい!!!!!)
2人の距離が離れる。
光姫の顔は月明かりの下でも解るほど真っ赤になっていた。
しかし2人とも笑い合ってる。
ボブの脳内は大混乱だった。
光姫が拠点島の方へと消えていき、そうまが踵を返し歩き出す。
ボブは茂みから飛び出した。
「おいそうま!!!!!」
「あ、ボブー。
来てたんだ、どうしたの?」
そうまは驚くこともせず、いつもの調子で笑う。
「どうしたのじゃない!!!
お前光姫様と何話してたんだ!?
あと最後の、き…キスは!!!!!
お前何してんだ!?
あっ!クソ縛ろうとしても種がない!!!」
掴みかからんとばかりの勢いでそうまを問い詰める。
初めて見せる幼馴染の錯乱状態に、そうまは笑いを堪えきれず吹き出した。
「あはは!ボブ慌ててるねwww
大事な種まで忘れてきちゃったの?
どんだけ姫様好きなんだよーw
悔しかったらボブもやってみろ~☆」
「うるさい!!!!!
お前、不敬罪とかなっても知らないからな!?
いや、それ以前にほんと何してんだ!!
口づけとか……
何を話してたんだよ!!!」
言いたい事と尋ねたい事とぶつけたい事をまとめて叫ぶ様子に、そうまは笑いが止まらない。
「姫様優しいから大丈夫だよー!
大した話してないから、ボブは知らなくていいですーwww」
(ボブのせいで僕の長い長い初恋が失敗しちゃったんだから、これくらい許してよねw)
そうまはボブから逃げるように走り出した。
「って、待てこら話を最後まで!!!!!
待たんかい!!!!!」
広場ではボブとそうまの真夜中のかけっこが繰り広げられた。
~~~
大きな音で拠点の扉が開く。
たまたま自室から出てきていたハンペンは驚いて入り口を見ると、ボブが物凄い剣幕で帰ってきていた。
「…チッ、逃げ足の速い奴め…。
まあいい、先回りして帰って来たから時間はある。
そうまが帰ってくる前にアイツの部屋に種を撒いてやる…。」
ブツブツと言いながら足音荒く歩くボブにハンペンはおそるおそる尋ねる。
「そうま先輩と喧嘩したんですか?」
「…思い出したくも無いわ!!!
知らん!!俺は部屋に種を取りに行く!!!」
「…先輩、一体なんのタネを撒こうとしてるんすか。」
「食人植物。」
(そうま先輩ニゲテ…。)
「僕の部屋を草だらけにしたら刻むぞ、ボブ。」
遅れて帰ってきたそうまは笑顔でボブの背後にいた。
「こっちの台詞だ…」
開け放しの扉から吹き込む夜風が、部屋の中を吹き抜ける。
机に置かれたままの小さな本のページが風によって捲られていき、栞の挟まれたページで止まる。
その栞は、太陽と鳥の絵があしらわれた大きめのデザインとなっており、端には小さく文字が刻まれていた。
「The sound of rain is echoing, isn't it?」
愛していました。
もう少しの間だけ、
お傍にいさせて下さい。
…つづく。
※注意※
物語の最終分岐を行います。
告知板の更新を御確認下さい。
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- Reika拠点を壊さずその下の地面を掘って加護を探すに一票でお願いします。
- 🌹ボブ似ている意見もありますが、少し異なるかも知れません。 「拠点の下の地面を掘る(ただし拠点の建物自体は壊さないで)」でお願いします。
- まりー🐬🌸分岐コメント失礼します。 少し似てますが、 拠点の下を掘って加護を探す(拠点はそのまま←ここ重要)に一票でお願いします。
- 環🍭私も宝石の破壊に一票、でお願いします。
- そうま🍭僕は宝石の破壊に1票で。 拠点壊すのは5票を余裕で上回っているように見えるので別のにしておきます(❁´ω`❁)
- むう『自分たちの拠点(防衛魔法陣)を破壊する』に1票です!! 皆で無事に大陸へ帰れますように... どうか、だれも死なないで...
- おみぃ🦄思想犯みぃも、みんなと同じで 自分の部隊の拠点を破壊するに 1票です。
- 林檎@通知こないわっひゃ〜6時に起きてたのにダンス踊ってたなんて言えない。 私も自分の拠点を壊すでいいと思います True endに向かう5人に入っていれば光栄です
- 暁月🌙*゚@カヌレ僕も上の方々と同じで拠点の破壊でいいと思います( ・∇・)
- 夜蝶上の2人と同意見で 自身の部隊の拠点、防衛魔法陣(円形のもの)をぶっ壊すのがいいと思います← |ω・`).。oO(かんきゃんならかかと落としで全部ぶっ壊せそう…)
- 🌹紅茶ミルク番長分岐選択のコメント失礼します。 私は自分の所属する部隊が拠点としている島をそれぞれ攻撃する。 のが良いかと思います(๑ÒωÓ๑)