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【朗読台本】長月夜行
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秋をつれて百鬼夜行 しかし鬼は、寂しそうな1匹だけ ________________ その鬼は、酷く美しくて 、 また酷く淋しげであった しゃらしゃらと音を立てて 真赭の芒をあそばせながら 気怠げに しかし荘厳(ソウゴン)に。 「おやおや、芒(ススキ)以外に 行列に加わってくれるものがいたのかえ?」 鬼は煌めく辰砂(シンシャ)の瞳、 額(ヒタイ)に立派な対の角をたたえて 幼子(オサナゴ)のように いたづらに微笑むのだ。 「嘘サ。巡るはこの鬼の役目。 冬まで進むはこの、赭(アカツチ)の鬼だけで良い。」 にぃ、と笑んだ紅(ベニ)の端に、 小さな牙の白が うっすらと光る。 「今日見たことは、内緒におし。 ……いいね?」 一陣の風が月夜を霞ませ 揺れざわめく芒の中 紅(アカ)く 明(アケ)く においたつ禾(ノギ)の火(アカリ)が あかおにのうしろを漂っていた ……………………………………………… 子供の頃は、道に生えてるススキを めちゃくちゃにむしっては 振り回していた思い出があります( ˇωˇ ) お題はたずさんより「和」ということで。 帰り道、恐ろしいことに 酷く美しい 鬼と目が合った。 百鬼夜行、ときくと ざわざわと大所帯なイメージが ありますが(実際百鬼ですし) 今この日本に百鬼もいるのかしら と思いました。 妖の類は昔の人にだけ見えていたのか それとも もう見えるだけの数がいないのか。 そんなことを考えてみたり。 ときはいま、 最後の一人になってしまった 秋の似合う赤鬼の話。 真赭の芒、の真赭 これの読み方は個人の好きなように。 あとはフリガナふっておきました。 鬼は紅をひいてますが男でも女でも。 むしろ男性が、ってのもなかなか萌えません?() ぴー、えす、 和ものはいくら書いても書き足りませんから、 今度は掛け合いでも作ろうかと思います笑 ↓今回も素敵なピアノサウンド お借りさせて頂きました #四ノ宮りゐオリジナル #朗読 #台本 #卯木の台本

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