nana

【台本】私は良い子【一人声劇用】
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#台本 #声劇 #声劇台本 #一人声劇 #1人声劇 #1人用 #一人用 台本38個目になります。彼女は壁から落ちましたが、何も言いません。だってそうでしょ、弱音は悪い子が吐くものだから。 今回は期待に応えようと自分を殺し続けた少女のお話。 良い子でいたい彼女はずっと、周りの思いに気付きません。皆さんも、周り見えていますか? BGMはみわたかさんの素敵なサウンドをお借りしました!ありがとうございました! それでは、よろしくお願い致します。 —————————ここから台本————————— 『なんでもできるすごい子だわ!』 『優しい優しい良い子なのね!』 母もみんなもそう言うんだ。 だから、私は良い子でいよう。 そうして過ごしていく中で、私の私とみんなの私がズレていく。 うまく出来た気がしない。 『流石だわ!よく頑張ったわね!』 これはきっと中途半端。 『凄いじゃない!素晴らしいわ!』 褒められおだてられながらも、どこか不満を抱えながら過ごしていく。 そんな私も壁に当たった。 硬くて重い、高い壁。 『無理はしなくていいのよ?』 『ちょっと休んでもいいじゃない。』 みんなは私にとても優しい。 だから、一言。 「私、良い子だから大丈夫」 私は壁にしがみつき、どんどん上へと登っていく。 みんなの姿は見えなくなった。 私は負けない。 良い子だから。 結果を見せるの。 良い子だから。 霞んだ(かすんだ)視界で壁をにらみ、一歩一歩と進んでいく。 自分にも言い聞かせるようにぽつりと呟く。 良い子はできるの。出来なきゃ悪い子。 ゴールは見えない。 私はまた一歩、歩みを進めた。

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