nana

都忘れ【台本】
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三本目になります。 素敵な伴奏はkoguma様。 僭越ながら歌は私るとが歌わせていただいております。 人の子に入れ込んでしまった神様の話。 ミヤコワスレの花言葉は、別れ。 ーーーーーーーーーーーーーー 最後にお前さんは言ったな、幸せだったと。 だが私はその言葉の意味を知らぬまま、お前さんを見送った。 命という儚くも尊く、 最も重い時間を終えたお前さんが 初めに失ったのは熱だった。 小さき頃からお前さんは私を見る度、屈託のない笑みを浮かべ、何度も何度も名を呼んだ。 …はて、私の名は何だったのかな。 お前さんが息を引き取ったとき、 共に死んでしまったのだろうな。 長かったよ。 お前さんが私の前からいなくなったその時から、私の時間は止まったようで。 瞼を下せばいつものように呆けた笑みを私に向けて名を呼ぶお前さんがいるのだ。 いらぬ情を私に与えたお前さんは たった数十年の短い時間の中で 儚くも散ってしまった。 あれから何百年と生きてきた。 そんな私にもやっとこの長く果てのないような時間との別れの時が来たようだ。 この身が朽ち果てる時、お前さんを思い出すであろう。 ーーーーーーーーーーーーーー 神様の性別はお好きに。 一人称、性別、アドリブなどお好きに入れていただいて構いません。 #声劇 #声劇台本 #朗読

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