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【朗読】花を吐く「サザンカ」
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ーーー夏の終わり、彼女が花を吐きました。 花吐き病を患った恋人を看取った。 そんな話。 一人称含め口調など改変自由です。 よろしければ使ってやって下さい。 使用の際拍手、コメント頂けると嬉しくて死にます。  * * * 彼女がその病にかかったのは、今年の夏の終わりのことだった。 吐く息が、花びらに変わる奇病。 治療法のないその病は、次第に患者の肺胞まで花びらで満たし、最後には窒息させるのだそうだ。 余命は、持って半年と言われた。 (一度音が止まったあと、1:02~) 彼女はその日から、息をするたび花を吐く。 次第にしゃべろうとしても花びらが口を塞ぎ、話すことさえままならなくなった。 それでも、彼女は笑っていた。 そして今日、彼女が死んだ。 発症した夏の終わりの日から丁度半年、冬の終わりの日。 彼女は細く弱った指で俺の手を握ると、最後に桃色の綺麗な花を吐いた。 (一度音が止まったあと、0:35~) 花に詳しくなかった俺は、彼女が最期に残した花の意味を知りたくて、色々な本を読み漁った。 どうやらこの花は、サザンカというらしい。 そう知って、何気なく図鑑のそのページを読んでいた俺は、その花言葉を見て息を飲んだ。 ああ、これが彼女の最期の言葉。 俺はなにも言えずに、ただ、ただ……。 ーーー『永遠の愛をあなたに』。  * * * サザンカの花言葉は「永遠の愛」。 それを贈るということ。 #声劇 #声劇台本 #切ない #奇病 #花吐き病 #朗読 #朗読台本 #ラスクラ企画 #花言葉

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