妖人奇譚 1話「茶屋の日常」
妖人奇譚
妖人奇譚 1話「茶屋の日常」
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1話「茶屋の日常」
九尾「今日も寒いねぇ〜」
轆轤首「全く、本当ですわ。いつまでこの寒さは続くのかしら…」
九尾「しばらくは続くンじゃないかなぁ〜…」
轆轤首「一体、今年何度目の冬かしら……。
あの子の恋愛体質はいつになったら治るのでしょうかね…。」
九尾「…治らない、かなぁ…」
轆轤首「はぁ〜…こんな時に座敷童子がいてくれたら…」
九尾「あいつも忙しいからなぁ〜…。」
座敷童子「よんだ?」
九尾「おお、座敷童子だ」
轆轤首「あら、今回はえらく早かったんですねェ」
座敷童子「…座敷童子、あのおじさんキライ」
轆轤首「今回はハズレを引いてしまったのですね…可哀想に…」
九尾「きっと、そのおじさんも寒くて機嫌悪かったんじゃない?」
座敷童子「…そうかも…。あ、また雪ちゃんねこんでるの?」
轆轤首「ええ、そうなの…。こんどは…ええっと…狸に振られたとか…」
座敷童子「見境なしね」
九尾「座敷童子、よくそんな言葉知ってたね」
座敷童子「わかった、ちょっと行ってくる。」
轆轤首「ごめんなさいね、私たちじゃ手に負えなくて…」
座敷童子「ううん、大丈夫。座敷童子も雪ちゃんがえがおの方がうれしいもん」
九尾「…座敷童子はいい子だねェ」
轆轤首「じゃあ、雪のこと、頼みますね。」
座敷童子「まかせて、座敷童子、いい子だもん」
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