nana

【声劇台本】雨の降る街
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その街には一年中、雨が降っていた。 水没した町並みからは 昔、そこに何があったのかさえも 分からなくなっていた。 いつか、青空をみたいといった少女がいた。 彼女は、生まれてから一度も 青い空をみたことがなかった。 いつも、見えるのは灰色の空と 戦火の赤い炎の色だった。 やがて街は火の海に包まれた。 彼女の夢が叶うことは無かった。 その戦慄を消すように雨が降った。 降り続いて、街が沈んだ。 その街には今も雨が降っている。 歴史の中に埋もれた街は 人々の記憶から忘れられ 遂に、その街をみたものは もう…どこにもいなかった。 ******************** 気まぐれ制作₍˄·͈༝·͈˄₎ฅ˒˒ コラボお待ちしております! _これは、誰も知らない街の話。

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