nana

太宰府天満宮をテーマに俳句
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みやこのこ 覚えた梅詩 今ここで 京の都で生まれ育った私。 まだ周りの友人がワイワイと毎日遊んでいた小学生の頃、私は世間でも比較的早めの受験を迎えようとしていた。 実は京都にも、学問の神様である菅原道真を祀った「北野天満宮」という神社があり、太宰府天満宮と同じ様、多くの受験生らが願掛けにやって来る。 例外なく、私もそのうちの1人であった。 当時の印象深い思い出は、おみくじで「一番」の大吉を引き当てたこと。 自分でもビックリしたが、このお陰なのか、その後無事に合格することが出来た。 話が長くなったが、この歌は、その参拝の時の話が深く関わってくる。 北野天満宮には、実はこの1度しか行ったことがない。 しかし、ここに御参りする数年前、母に道真のある歌を教えてもらった。 「東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ(春を忘るな)」 道真が無実の罪で太宰府に流された時、大好きな梅の花を想い、その寂しさと無念さから出来た和歌と言われてる。 小さいながら、やけに心に響いたことを記憶している。 天満宮で、彼の何かが見えた訳ではないのだが、この和歌を思い出しては母から褒められた昔を懐かしみ、受験を心構えていた。 都に咲く梅の花も、主の想いを継いだ子供たちなのかなぁ…なんてませたことも考えていた(笑) そんな私も、今は京都から離れた山口県に住んでいる。 まだ、太宰府天満宮には参れていないのだが、もし旅行で行くことが出来れば、早朝の境内に立ち入ることは出来なくても、高い空を見据えた梅の香がなくとも、耳に学生たちの拍手が響く頃でなくとも、何かしら心を震わせる想いが沸き立つと想像している。 「あら、この子…この場ですぐ道真の和歌を覚えたのね」 そんな母の褒め言葉が嬉しかった。 京都で【子供】の【頃】に覚えた梅の歌、もし太宰府を訪れることが出来れば、道真の想いを込めた歌が、様々な時を経て自分の中で流れるだろう… そんなことを考えながら作りました。 みやこのこ…見よ、この子・都の子・都の頃 覚えた梅詩…押韻 ここで…序盤で使った「このこ」に併せ「こ」でリズム感を出した 母の視点と自分の視点、両面から味わうことで、道真が生きた時代からの時の流れだけでなく、自身の時の流れも表現出来たのではないかと自負。 ちなみに、たった5分で考えたこの歌、書いた内容や工夫は全部後付けである。 実際ここまで考えて作らなかったけど、やはり私は後出しジャンケンが得意のようだ。 以上!

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