nana

   【朗読台本】ひとりぼっちわくせい   【声劇】
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ひとりぼっちの地球から。 ―――――――――― はろー、にーはお、こんにちは、こんばんは。 アンテナを直してみたので、誰かに届けばと思ったのです。 ここに話す人は居ないから。 僕は地球にひとりぼっちです。 動くものはあるけれど、僕の様に空を見上げる物はありません。 喋るものはあるけれど、僕の様に時折言葉につまる物はありません。 空気を吐き出すものはあるけれど、僕の様に呼吸をするものはありません。 熱を生み出すものはあるけれど、僕の様に寒さに震えるものはありません。 だから少しでも、この明るくて広い空を、言葉は繰り返すものではないと、吐き出す息は白くてやわらかな物だと、熱を奪う空気の冷たさと放たれる火の熱さを。 知っている人と僕はあってみたいのです。 残された本に書いてありました。 様々な国があり、様々な言葉を交わし、想像も出来ない程の人々がここにいたと。 はろー、にーはお、こんにちは。 さんきゅー、しぇしぇ、ありがとう。 いまは、様々な言葉も意味は無いのだけれど、もしも届いたあなたが僕の言葉を知らないなら、ここにある本にも意味はあるのかもしれません。 だから僕はひとりで読んでいようと思います。 きっとあなたと話せる時があると信じて。 だから、どうか、どうか。 ――…届きますように。 ――――――――― ひとりぼっち惑星からなんとなく。 ひとりぼっちの地球から、必死に飛ばすSOS。 アレンジ等ご自由に。 素敵な伴奏お借りしました。 #声劇 #一人声劇 #朗読

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