歌詞 2月というだけの夜 SION
作詞
SION
作曲
SION
何もないから誰もいない
ただ 2月というだけの夜
力不足のエアコンヒーヒー言って
やって来ては行く車がヒューヒュー言って
間の悪さとバツの悪さに
けつまずいて背中を向けたままの夜
待ちすぎた人が待ちわびる人と
ちょっと笑ってすれ 違う
カラッポの水槽は悲しいから
カラッポのギターケースと外に出した
なのに少しもカラッポがなくならないのは
鏡を見なくてもわかってること
「この川で今日からもう泳いじゃいけません」
「水が汚れてきたからもう泳いじゃいけません」
言われたけどこっそり泳いだ
楽しくて夢中で遊んだ
大きな石につかまって
魚といっしょに流れをこらえたり
仰向けで頭だけ出して流されたりして遊んだ
ふと気がつくとあたりはすっかり暗くなっていて
そしたら急にこわくなって河原に転げ上った
サンダルが何度も脱げたから手で持って走った
畦道を息もしないで走った
やっと家についた時えらく叱られたけど
ほっとして全部ほっとして
あの時の空の黒さに似て
あの時の心細さに似て
あの時のカラッポに似て
あの時とかけ離れた俺が居る
何も ないから誰もいない
ただただ 2月というだけの夜
力不足のエアコンヒーヒー言って
やって来ては行く車がヒューヒュー言って