月の明かりで目が開かない。
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月の明かりで目が開かない。
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「またどこかで会えても、
私はきっといつもみたいには話せないから、
最初は他人のふりをしよう。
また出会って、
また挨拶を交わして、
また、友達になるの。
そうした方がきっと、
人見知りの私たちにはちょうどいい。
もし、寂しくなったら
少しだけおしゃれをして外に出よう。
蝶ネクタイや、
しまったままのスカーフを首に巻くの。
その日だけ、真夜中にお散歩して、
コンビニでお酒を買おう。
月明かりの下、ブランコに乗って、
少しだけ度数の強いお酒を飲む。
沢山話をしよう。
寂しくないように。
その日だけ、友達に戻ろう。
その日が終わったらまた元通り。
大丈夫だよ。
二倍思い出を作れる。
ずっと強く親友になれる。
もう最初に出会った日のことは忘れちゃったけど、
もう一回最初に会えた日は、
絶対に忘れないにするよ。
あ、
もうあの公園、
老朽化で滑り台が無くなったらしいよ。
ブランコはあるかな?
おかしいな。
眩しくて目が開かないな。」
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