【二人声劇】蒼穹のけもの
サブ/あなた イチ/あなた
【二人声劇】蒼穹のけもの
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#声劇台本 #二人声劇台本 #夜の台本
【窓を開ける】
イチ「——鯨、でけー……」
【音入り】
サブ「『魚のような雲のような見た目の彼らが出現してから幾星霜。私達は未だあれの正体を掴めずにいる。数百年前の資料に拠れば、彼らは海底から空へ舞い上がったとある微小な生命の集合体とされ、』……ははあ、」
イチ「またハズレ?」
サブ「そうらしい」
イチ:
ぼくらの旅は、カフェインと摩訶不思議と、それからひとつまみの好奇心で構成されている。
蒼穹船(そうきゅうせん)は無事にターミナルを滑り出し、順調に航路を進んでいるようだ。実に結構、このまま何事も起きず済めばよいのだけれど——。
イチ (出航の時に鯨を見たよ。船長が必死で警笛鳴らしてた)
サブ (良い安眠妨害だよなあ)
イチ (結局アレって何?)
サブ (さあ)
イチ (さあって)
サブ (ところでこのコーヒー苦すぎないか)
【ドアを開ける】
サブ「再確認だ。この旅の目的は」
イチ「彼らの調査でしょ」
サブ「分かっているのはふたつだけ。彼らには意思がある。そして結構固い」
イチ「まったく、調査のしがいがある」
サブ「そうだな。……さて、」
【重い扉を開く】
サブ「なにからやろう? 空が青い、今日は絶好の調査日和だ!」
イチ:あぁこの旅も、きっと今に忙しくなる。
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