土瓶の魔神
創作小話
土瓶の魔神
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あるところに
そろそろ年金をもらう
年頃の男がいた。
何気なく
近くにあった土瓶を 撫でると
土瓶の魔神が出てきた。
男はそれほど驚かなかった
魔神は男に言った
「ワシは なんでも三つ願い事をかなえてあげよう
おまえの願い事はなんだ?」
「はい私の寿命を知りたいのです」
「ふむふむ おまえの寿命は86歳だ」
「ありがとうございます」
「ならば 何歳で 年金を受給するのが一番いいのでしょうか?」
「ふむふむ65歳から受給するのが一番いいぞ」
「さて 願い事は あと一つだぞ」
「では」
と男が魔神を見て言った
「どのように気をつければいいのでしょうか?」
と男は魔神に聞いた
魔神は言った
「本当にそれが最後の願い事でいいんだな?」
「はい」
「まずはこまめに年金事務所に行って相談する事
そして年金で足りない分は仕事をして補う事
質素な生活を心がけて、貯金をする事」
などなど
けっこう細やかに男に説明した
「ありがとうございます。これで老後の人生なんとか目処が立ちました」
ふむふむと言いながら魔神は消えた
魔神は思った
「人間というものは欲がないものじゃのう」
終わり
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