味のないクッキー( 朗読 台本 )

読み手 あなた 書き手 ミチル猫

ある日、自転車で走っていた君はトラックと接触して転倒した。頭を打ったらしい。 電話越しの君は元気そうに話していた。 脳には異常がなく、怪我も大した事はないと言う言葉を聞いて安心した僕。 それから少し時が過ぎ、君とのデートの日。 怪我の事が気になったけど、君は電話と同じように平気だよと答えただけだった。 僕が作った手作りクッキーを食べながら美味しいねって笑いながら。 更に時が経った頃、電話越しの君は元気が無かった。 ごめん、嘘ついてた。本当は平気なんかじゃなくて……。 お医者さんからはいつ記憶が無くなるか分からないって……。 あなたが作ってくれたクッキーの味も衝撃の影響で何の味もしなかった。 ごめんなさい……。 苦しそうに漏らす言葉に、なんて返事を返していいかわからなかった。 僕には君の苦しさを和らげる手段がわからなかったのだ。 そんな僕の前から君は居なくなった。 引き止める手段さえ分からず、僕は立ち尽くした。 ------------------------------------------------------ 素敵な演奏ありがとうございますฅ^•ω•^ฅ ICARO -piano arrangement-【SH2】 弘田佳孝 / シャドウハーツ２ #ICARO #シャドウハーツ2 #弘田佳孝 #ピアノ #ゲーム #ミチル猫台本