Forget-me-not

尾崎豊

Forget-me-notを作った頃の尾崎は、これからどんな曲を書いていけばいいのか悩んでいたそうな。 この頃から徐々に内省的・抽象的な歌詞になっていきます。 かなり苦しみながら作られた曲であり、その苦しみ自体が表れているように思えます。 尾崎自身は反対していたそうですが、 「10代のうちに3枚のアルバムをリリースする」 という方針が打ち出され、短期間での制作となり、この曲は最後まで歌詞が完成せず、難航したそうです。 レコーディングの途中で抜け出して帰宅し、過去に書き溜めたノートを漁ったりしながら、スケジュールギリギリで何とか出来上がった歌詞。 尾崎もミュージシャンもスタッフも徹夜。 戻ってきた尾崎はスーツに着替え、スタッフへの手土産を持っていたそうです。 「ところで歌詞は？」 「できました」 で、そのまますぐにレコーディング。 2度録り、1度目を採用して、アルパムに収録されました。 アルバム「壊れた扉から」に入っているこの曲は、徹夜明け・スーツ・一発録り、なわけです。 鬼気迫るレコーディングだったらしく、須藤晃さんは『（歌う尾崎のあまりの気迫に）誰もなにも言えなかった』と言っています。 魂をしぼり出すようなボーカル。 その歌詞は、斬れば血が出てくるんじゃないかと思えるほど、今も懸命に生きています。 『初めて君と出会った日 僕はビルの向こうの空をいつまでも探してた』 は、東邦生命ビルから見た渋谷の街や空のことだろうか。 現在はクロスタワーと言う名のそのビル、もう8年ほど訪れていない。 そろそろまた行かねばならぬ。 どうしても、同じ空を見上げたい。 #アキ尾崎豊弾き語り #アキforgetmenot