1人声劇「この暗闇を」
BGM:rito様 台本:小梅 読み手:コラボ者様
1人声劇「この暗闇を」
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"いつか晴れるだろう雲の中を翔ぶ雁……僕の暗闇はいつか晴れるのかな……"
ふと思い出した「雲居の雁も我がことや」っていう言葉を広げて書いて見たものです。
良かったら読んで下さいませんか?
BGMお借りしています。
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【漢字読み】
雲居の雁→くもいのかり
雁→かり
病葉→わくらば
以下、本文
↓↓↓
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いつか、聞いた話。
いつだったろう。誰が話してくれたっけ・・。
ああ、あれは君だったっけ。
源氏物語にでてくる少女が言った言葉。
「雲居の雁もわがことや」だっけ。
今の僕もそうだ。
霧の晴れない空を飛ぶ雁のように目の前の暗闇の中でもがいている。
今の僕が此処にいる事は本当に良い事なのかな。
あの人の役に立ちたい・・その気持ちだけで診療所での療養を頑なに拒否した。
でも、だんだんという事をきいてくれない身体。
僕はこのまま駄目になっていってしまうのかな。
こんな暗闇を抜け出せないなら早く終わらせてしまいたい。
この病葉の如き体を抜け出してしまいたい。
どこまでも続く暗闇。
霧の晴れない空を飛ぶ雁・・・まだ、いつか晴れるだろう空を飛ぶ雁のほうがよっぽど役にたつのかな。
この暗闇が晴れる事があるのならば、あの人の為に役に立てる日が来るのならば僕は何もいらないのに・・・。
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