爪を隠す　

朗読：

己の価値ばかりを考えすぎると やがて沼に堕ちて沈むだけなのだから 似た感じの哲学者が語ってるやつ↓ https://nana-music.com/sounds/0671ea70 No.77 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ かの追及者は問う 「価値」とは何か 「価値」とは認識されることで初めて意味を成す 光り輝く宝石も 抱えきれない札束も 知らなければ無価値の石ころや紙切れ かと思えばちっぽけな穴の開いた貝殻やただの丸い石が だぁいじにだいじに祭られるなんてこともある つまりは物自体に「価値」たらしめる要因などなく 結局　「認識」が「価値」を生み「価値」をなす そういうからくりなのだ 「能ある鷹は爪を隠す」 俗に一見目立たない人間が才を隠し持つ事を指す しかし 僕は思うのだ 「隠し持つ」のではなく 「周囲がその才の価値を認識していない」のではないかと 「爪」は初めからお前たちの首元を掻っ切るのを 今か今かと狙っているのに のんきな阿呆どもは「爪」を「爪」と認識できず、 己が強者であると疑わない これほど滑稽なことがあるだろうか なぁ 少年 己の価値をそんなに深く考えるものでは無い 考えた所で待つのは深淵だけだ 自ら地獄へ堕ちようとするものでは無い 最期まで君と共にあるのはやはり「君」だけなのだから ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ #日陰ギター #音炉の物語 #チェリーの台本 #声劇 #朗読 #台本 #声劇台本 #朗読台本 #爪を隠す