【声劇台本】牡丹坊

●:○ヨナ:BGM:御所川原 古都子 台本:明烏

●北方に佳人(かじん)有り 絶世にして獨立(どくりつ)す 一顧(いっこ)すれば人の城を傾け 再顧(さいこ)すれば人の國を傾く ●○(一緒に) 寧(いずく)んぞ傾城(けいせい)と 傾國(けいこく)とを知らざらんや 佳人は再びは得がたし… ○李延年(り えんねん)ですね…ふふ、私のこと？ ●舞衣(まいぎぬ)が乱れているぞ ○わざとですわ。お手をだされませんよう ●花を愛でるからには無論見るだけだ、摘みはせぬ ○まあお上手 ●名は？ ○あら、私を知りたいんですの？ ●牡丹坊(ムーダンファン)の女は皆、花の名を持っていると聞いた ○あててみて ●桃(タオ)。楊(イァン)。桂(グェイ)…。何が可笑しい ○ごめんなさい、私 花の名では無いの。当たりっこないわ ●ほう 花では無いか ○普通の女と色香を張り合いたくなんて無いですもの ●普通…ね ○それよりお客人。人を知ろうとなさる時は人に知られる覚悟が必要よ ●すまないが、名乗るわけには ○わかっているわ…もっとお飲みになる？ ●それよりもう一つ舞ってくれないか。何の舞が得意だ ○何でも。すべてを舞となしてみせましょう ●すまないが楽隊は下がってくれ。存外、激しい舞になりそうだからな ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 国の要人と妓院に紛れ込んだ刺客のお話 切り結ぶかしっぽりかは想像にお任せします 冒頭は漢代の歌、傾城傾国です そのまま読みあげていただければ大丈夫です ※北の方に美しい人がいる その美しさはこの世に類なく ひとたび顧みれば城(都市)を捨ててもいい気になり 再び顧みれば国を捨ててもいい気になってしまう 城や国を危うくすることはわかっているが このような美人は二度と手には入らない #台本 #声劇 #掛け合い #声劇台本 #2人声劇 #掛け合い台本 #刺客 #BGM #DTM #中華風 #御所川原出版