瑠璃色金魚と花菖蒲
白石紬
瑠璃色金魚と花菖蒲
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瑠璃色金魚は恋い焦がれる
凛と咲き誇る花菖蒲
吐き出す空気は泡の模様
決してあなたの心に
届かないの
はなびらひとひら 水面に落ちて震える指先
時間が止まるわ 目が覚めた余韻の余白
外の世界は ねえ なんて眩しい
嘘だとしても罪深過ぎたの
眩暈がしても心地いいのは
もう求めてるから
瑠璃色金魚が見上げるのは
凛と佇んだ花菖蒲
私 あなたのようになれたら
もっと上手く微笑えますか
灯した明かりは燃えないまま
今も青く棚引いている
曇った硝子を溶かすほどの
秘密 もしかして私 持ってますか
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