【一人声劇】『波の音。』
台本・瀧月 狩織 / 読み手・
【一人声劇】『波の音。』
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テーマ【ふとした瞬間】
※一人称や語尾の変換は自由。
※カモメの声と波の音はマイク越しに重ねたものなので音割れ注意。
それでは、はじまり。
✳✳✳✳✳✳本 編✳✳✳✳✳
観光で立ち寄った海辺の町。
旅館の窓からは波の音とカモメの鳴く声がよく聞こえた。
太陽の光を吸い込んで、キラキラと輝く水面。
漁業を営みとしている町なので、活気溢れる港も存在している。
ワタシはひどく、町並みに視線を惹き付けられた。
従業員の人に少し出掛けることを伝え、外へと出る。
まだ夏前だと云うのにジリジリとした暑さが照りつけてくる。
日避けの帽子を少し目深く被る。
町の人に挨拶をされて、挨拶を返す。
歩き出す。
向かったのは波打ち際の堤防。
コンクリート製の堤防を踏みしめるとジャリッと音が立つ。
波の音と共にカモメの鳴く声が大きい。
潮風が吹きつけて、顔の前を少し手で隠す。
ザァッ!と駆け抜けた風の中で何かを感じた。
『 』
声だろうか。誰かが、ワタシに言葉をかけたように感じた。
しかし、辺りを見渡しで誰も居ない。
再び、海の水面を見やる。
窓から見ていた景色と同じはず。
なのに、胸が打たれるような感覚が襲ってきた。
ワタシは此処と似たような場所を知っているのだろうか…。
波が押しせては、引いていく。
✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳
如何だったでしょうか。
まだ現実では梅雨も過ぎていない五月ではありますが…
日中はどうも暑くて、適いませんね。
そんな日々の中でふとした拍子に何かを懐かしく感じることはありませんか?
これはそんなお話です(っ´ω`c)
みなさんも忙しない日常の中で、自然の音と触れ合ってみては?
それでは、お疲れ様でした。
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#90秒では読み切れないシリーズ
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