[朗読台本]迷いの森の祈り人
読み手様 :×泊楽天
[朗読台本]迷いの森の祈り人
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・年齢、性別不詳な賢者という設定です。
一人称は「わたし」でも「わし」でも。
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おや、こんにちは。
珍しい、ここにお客さんが来るのはいつぶりかのう。
お嬢さんは何でお困りかな。
ここで出会(でお)うたのも何かのご縁。良ければこの年寄りに話してはみないかね。
ここには苦しみ、悲しみを抱え切れなくなった者が、時々迷い込んでくるのじゃ。
そしてその思いをここにおいて、去っていく。
そうしていつしか忘れていくのじゃ……抱えていた思いも、それを渡した私のことも。
忘れられることが寂しくはないか、とな。
なぁに、忘れたいことは忘れてしまえばよい。
前に進めるなら、それで良いのじゃよ。
だが、そうじゃな。
一つだけ、世迷言を聞いてくれるのであれば...時々で良い、思い出してほしい。
たとえ忘れられたとしても、どこかでお主を案じ、幸せを願っている人がいる、ということを。
さて、もう良い頃合いじゃろう、このまま真っ直ぐ歩いておいき。来た道に戻れるはずじゃ。
願わくばもう会うことのないように。
さようなら、やさしいお嬢さん。
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誰かに話した悩みや愚痴は、解決してしまえば、時間とともに薄れ、次第に思い出すこともなくなっていく。
忘れられても「もう辛い思いをしてないだろうか、心の底から笑えているのだろうか」と案じている人がどこかにきっと...そんなお話。
#朗読 #台本 #朗読台本 #声劇 #泊楽天
コメント
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- 二十番T@ハタバンお借りしました_:(´ཀ`」 ∠):