[朗読台本]霧雨と山の護り手さま
読み手様 :×泊楽天
[朗読台本]霧雨と山の護り手さま
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おい...おいっ。そこの...お前だ、お前。
こんな霧のひどい刻限に何をしている。ここが山城(やましろ)の神域だとわかっているのか。
ん?まさかお前...目が見えていないのか。なるほど、通りで驚かない訳だ。
お前、東の村の出だろう。仕方が無い、麓まで送ってやるから、早くここを去れ。
お前からは、昔あの村で嗅いだ、懐かしい花の香りがするな。
私は昔、あの村で力尽きようかというところを助けられたことがある。
私がまだ半人前だった頃の話だ。私を助けた者も盲者だった。
微かに面影もある、あれはきっとお前の親だろう。
どうやら、やっと恩が返せたようだな。
ほら、ついたぞ。よせ、礼は無用だ。
なんだ、まだ何か用か。...私の名前、か。
そうだったな。見えていれば、名乗るまでもないから忘れていた。
...私の名は鞍馬。山城の神域を守る、烏天狗だ。
フッ...やっと驚いたか。
もう二度と、迷い込むんじゃないぞ。それじゃあ、達者でな......
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迷い込んだ霧雨の山の中で出会ったのは
厳しいけれど優しい、山の護り手さまでした。
またいつか、会えたらいいな...
そんな、お話。
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- 二十番T@ハタバンお借りしました