第一話 部員集め
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第一話 部員集め
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殺風景な屋上で、二人の少女が談笑している。椎葉学園には校則というものが殆ど存在しないため、各々が自分好みの場所で昼食を取れるのだ。
💠凪咲「あなた、ミラクルプログラムを知っているの?」
☂️崩華「はい…たしなみ程度に、ですが。」
💠凪咲「その割には詳しいじゃない?しかも推しが同じ桃果だなんて…ミラプロ友達が出来るのも初めてなのに、嬉しいことこの上ないわ。」
☂️崩華「んふふ…蕁草先輩。さっきまで先輩面してたのに…。中学生と友達とか言っていいの…ですか?」
💠凪咲「当たり前よ!同年代でミラプロ知ってる人なんて、全員ソウルメイトに決まっているわ!」
☂️崩華「わたし、そこまで大ファンってわけじゃないよ…?でも…友達…うれしい。です。」
💠凪咲「…ちょっと待って、席外すわ。」
☂️崩華「どうしたの?声が震えてるよ…?」
そう言って崩華が顔を覗き込んできた時にはもう手遅れだった。
凪咲のふたつの瞳からは、大粒の涙が次々と生成されているのだった。
☂️崩華「落ち着いた…?」
💠凪咲「え、ええ。もう平気よ。ありがとう。」
☂️崩華「どうして…泣いてたの? 辛いこと、思い出した?」
💠凪咲「何故かしら…わからない。」
☂️崩華「…うぅん…ミラプロの話をしたのが原因…かな…?」
💠凪咲「…! そうよ、きっとそうだわ!
私、バーチャルアイドルばかりの時代にうんざりしていたの。ミラプロみたいなリアルアイドルがまた活躍できるようになってほしい!…だけど…私には何もできない。将来が決まっている私には…。」
☂️崩華「将来が、決まっている…?すごいね。わたしは、なんにも、決めてないのに…」
💠凪咲「すごいことなんて何もないわよ。生まれなんて運だもの。それに…」
☂️崩華「?」
💠凪咲「何でもないわ。」
☂️崩華「ねぇ…。わたし、いい方法思いついた。 部活でアイドルするの…どうかな?」
💠凪咲「それだわ!昔はアイドル部のある学校もあったわよね。私はマネージャーをやるから、あなたはアイドルお願いね。それと、もう1人部員を見つけてきて。」
☂️崩華「わたしが…アイドル…? いいけど…。
もう一人の部員探すのは、無理かも。」
💠凪咲「そうなの?なら私が探してくるわ。」
☂️崩華「待って。わたしも…一緒に。暇なの…」
💠凪咲「いいわよ。明日のお昼、空いてるかしら。」
☂️崩華「うん。部活とか、入ってないから。」
翌日の昼休み。崩華と凪咲は、活動内容の構想を纏めて作成した一枚のパンフレットを手に、中学校舎へと向かった。
💠凪咲「ここがあなたのクラスね。中1だから需要もありそうだわ。」
☂️崩華「…あの。わたしは、ここで、待ってる。」
💠凪咲「…何となく察したわ。一人で行ってくるから、おとなしくここで待っていて。」
☂️崩華「うん。」
〜数分後〜
☂️崩華「どうだった…?」
💠凪咲「ダメだったわ。それと、このクラス、ちょっと雰囲気悪いわね…」
☂️崩華「わたしがいれば雰囲気も明るくなるんだけどね…んふふ」
💠凪咲「どういうことよ。まぁいいわ、次行きましょう。」
二人はいくつかの教室に訪れた。
☂️崩華「すこし、疲れてきた…」
💠凪咲「あなた、体力無いのね…活動開始した時の為に運動しておいた方がいいわよ。」
崩華は少し頬を膨らませる。
☂️崩華「…なら、体力のある先輩がアイドルやればいい…かわいいと思うし…」
💠凪咲「私?いや、私は推す役割しか出来ないわ。私のアイドルへの憧れは、自分がやりたいっていうのとはまた違うのよ。」
☂️崩華「ふぅん…わかった。わたし、苦手なことは運動だけだから…それに…ダンスなら苦手ってわけではないから…なんとかなる。」
💠凪咲「ええ、よろしくね。」
会話しているうちに二人はまた新たな教室の前に到着した。
☂️崩華「2-D。」
💠凪咲「ここは…かなり派手なギャルとかヤンキーっぽい子がいるクラスって、聞いたことがあるわ。少し身構えてしまうわね…」
☂️崩華「大丈夫。」
崩華は躊躇なくドアを明け、スタスタと中へ入って行った。慌てて凪咲も後に続く。
💠凪咲「これは…!?」
☂️崩華「んふ…かわいい教室、だね。」
教室は何故か飾り付けがしてある。黒板には、「お誕生日おめでとう!」と、大きな字で書いてある。
💠凪咲「2-Dの皆さん。こんにちは。私達は、新しくアイドル部を設立する為、部員になってくれる方を募集しています。」
誰か「お引取りくださーい」
また別の誰か「アイドル部?そんなの古すぎるっしょ〜(笑)」
崩華が心配そうな顔でこちらを見ている。
彼女は口を開き、小さな声で話す。
☂️崩華「ごめん…。噂通りかも…」
いいえ、もう少し粘ってみるわ。黒葛さん、耐えて頂戴。
少しすると、二人の女の子が近付いて来た。
派手な女の子1「アイドル部、ですよねぇ?アタシ、入ってくれそうな子知ってますよ〜」
💠凪咲「あら、それは良かったわ!その子はどこにいるのかしら?」
派手な女の子2「えーっと、今はお花詰みに行ってるみたいっス。ギャハハ! もー少ししたら帰ってくると思うんで〜」
二人の派手な少女達は昼食の為にくっ付けた机のところへ戻って行った。
教室へ特徴的な髪色の女の子がやって来た。
「「「🎉お誕生日おめでとう、アツシちゃん!」」」
突如、大きな破裂音と大勢の生徒の声が教室に響き渡った。
2-D教室での本日の主役は、この少女のようだ。
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