理解の出来ない作品

　

【舞台は、 演者がいて、 脚本があって、 照明、音響。その全てを演出する人がいる。 それら全てが集まって9割が揃う。 後の1割はなんだと思う？ そう。舞台。 それを上演する場所が必要だ。 その人は奇想天外な発想をする劇作家だった。 雨が天に昇る世界を生きるネズミの話。 透明人間とかくれんぼする少年の話。 だから作ったものは意味がわからぬ物ばかりで、 沢山の人の頭を混乱させた。 私？ あぁ、私はその人のマネージャーだよ。 スケジュールや外部との連絡をしていた。 それもその人の作品だよ。 命をかけた最後の作品。 その作品を作り上げたのは かれこれ3世紀は前だった気がする。 全てに手を抜かないと劇場まで作ると意気込んでた。 そうか、 そんなに老朽化が進んだか。 そうだよ。 あの人は、人間だよ。 だからあの人一人で作れるわけが無い。 不思議だね。 さぁ。次は何が起こるかな。 もう何が起こっても不思議じゃ無いよ。」 ———————— project http:// ♯02 no.002 名前はイシザカと名乗っていた。 年齢は56歳。性別は男性。 証明になる物は不所持。 対象者の言っていた劇作家は確認。 イシザカは劇作家とのツーショット写真のみ所持。 指令通り、イシザカを街まで護衛完了したとの報告を得た。 #projecthttp