カモン！アステカイザー/プロレスの星アステカイザー

子門真人 / コロムビアゆりかご会

#特撮祭り2022 「ジョージ高野という男」 この「プロレスの星・アステカイザー」という番組、ゲスト出演なアントニオ猪木の棒読みぶりやお世辞にも出来が良いとは言いかねるアニメパートが注目されがちですが、「鮮血のヘル」として出演した「ジョージ高野」も忘れてはなりません。この「アステカイザー」こそは彼のプロレスラーとしての縮図でもあるのです。 何を言わんやこの高野は当初主役を演じる予定が、大根すぎたため、あいやスケジュールの都合で敵役を務めたとされています。 そもそもあの初代タイガーマスクの候補に上がりながらジュニアヘビーとしては大きすぎる故にお流れとなり、そのタイガーマスク引退後「謎のアストロノーツ」ザ・コブラとして凱旋するものの、誰がどう見ても二匹目のドジョウ、そのズバ抜けた身体能力と反比例するプロレスセンスも相まってファンから冷ややかな視線を突き刺され失笑をも浴びるいう苦難を舐めました。 その後の高野はマニア以外覚えていない烈風隊、SWSでの微妙な立ち位置、ナガサキや弟・俊二との決裂など、そのプロレス人生が万事において「なにかがそうじゃない」道を歩む事になり、その全ての出発点が「アステカイザー」だったのです。 ハンサムな顔立ちと恵まれた体格、卓越した身体能力を持ちながら何故か「ああなってしまった」男・ジョージ高野。その運命の歯車の一輪を担った記念碑的作品、それが「プロレスの星・アステカイザー」。 さあ、ご一緒に。 運命の中でひたむきに戦い続けたジョージに想いを馳せて。 「カイザー・イン！」