『Rёgulus』
▶キャラクター設定
❤辻 恵(CV.一ノ瀬 さん)
友人にアイドルオーディションの申し込みを勝手にされた。渋々参加したらなんと合格。日常が変わる。
自分に自信がない。
💙古川 夏海(CV.もち さん)
元々他のグループになる予定だったが、メンバーとそりが合わずに辞退。アイドルを辞めようとしたところ、このユニットへの招待をされる。これで最後にしようと考えている。
💛佐野 由紀子(ケイ素.さん)
自分からアイドルになりたいと事務所に突撃してきた子。何度も何度も頼み込み、自分の実力を見てもらえることに。その後、このユニットへ。踊りがとにかく上手い。
💚上田 瑠美(CV.空夜 さん)
街でスカウトされた。
天才肌で大抵のことはやってのけるが、服のセンスは微妙。独特な言い回しと言葉選びで周りには困惑されることが多い。
ーーーーーー
▶作者: 一ノ瀬 様
「わたしに、手紙……?」
帰宅して直後、恵がポストを開けるとそこには一通の手紙が入っていた。
恐る恐る開いてみるとそこには以前友人が応募したオーディションの合否が届いたようである。
真っ白な紙に印字された文字は恵の未来を記していた。
『辻 恵様 この度は当オーディションへの応募ありがとうございました。審査を行った結果、合格とさせていただきます。つきましては〇月〇日に〇〇へお越しください。』
「え……合格?」
恵は驚きながら、再度手紙に目を通す。
だが何度読み直してもそこにはただ合格の文字があるだけだった。
その事実に不安げに瞳を揺らすと、恵は小さくため息を吐く。
「はあ……わたし、アイドルになっていいのかな」
合格は貰ったものの、恵には自信がなかったのだ。
このオーディションだって恵の友人が彼女を推薦したようなものである。
「わたしは……」
恵にはアイドルになる覚悟も、人前に立つ勇気だって何一つなかった。
手に持っていた手紙をぎゅっと握りしめ、顔を歪ませる。
ただ幸いにもその手紙には日付と場所が指定されていた。
もしかしたら、事情を説明すれば断れるかもしれない。
そんな考えに至った恵は当日、事務所へと向かう事を決めたのである。
◇◇◇
約束の日当日。
少しだけ指定の時間より早めに恵は都市部にある大きなビルの前に立っていた。
「ここ……だよね? 大きいビル……」
昼間の太陽に照らされキラキラと輝くビルは恵に圧倒される。
恐る恐る中へと入ってみれば、受付の女性がニッコリと微笑んできた。
「あ、あの」
「おはようございます。辻 恵さんですよね? プロデューサーから話は伺っております。どうぞ、エレベーターから二階の方へお上がりください」
そう言われ、横にあったエレベーターへと案内される。
(どうしよう……断りに来たのに)
「あのわたし……」
「二階の突き当りの部屋になります。そう心配なさらなくても大丈夫ですよ」
(勘違いされてる!?)
「そうじゃなく」
断りに来た。
そう言おうと思ったところでエレベーターの扉が閉まる。
そのままエレベーターは二階へと上がっていってしまった。
「ど、どうしよう……」
慌てている間にエレベーターはポーンと音をたて、二階についてしまう。
「やっぱり直接言わないとダメなのかな……よし」
恵は覚悟を決め、受付の女性に言われた通り突き当りの部屋の目の前まで行き、コンコンとノックする。
「し、失礼します」
ドアを開けた先は会議室の様で、そこには一人の少女が椅子に座りながら足をぶらぶらと揺らし、恵をじっと見つめた。
「ん? キミは??」
「えっと……? 貴方がプロデューサーさんですか?」
「いや、ボクは違うぞ!ボクは佐野 由紀子。今日、プロデューサーに呼ばれて来たんだ! キミも?」
その言葉に恵は頭を横に振る。
「い、いえ、わたしはオーディションの合格を取り消してほしくて……」
「あっ、もしかしてキミがオーディションで受かったっていう子? ふーん」
少女は頭のてっぺんから爪先まで舐めるように恵を見ると、少し顔を顰めた。
「……なんか思ってたより面白くないね」
「え、」
恵が由紀子の言葉に首を傾げると同時に、先程入ってきた扉が開いた。
その音にびくっと肩を震わせ、驚きながら後ろを振り向くと黒髪の女性が立っている。
(この方がプロデューサーさん……?)
「あ、あの……おはようございます」
「……」
口を開くと、女性は恵をちらりと一度見てから目を逸らし、近くにあった椅子へと腰掛ける。
「えっと……」
無口な女性に困りながらも恵は何とか話をしようと口を開きかけるが、次の言葉が出てこない。
そんな沈黙を破ったのはまたしてもドアの音だった。
「いやいや、遅くなっちゃった! 待たせたね」
その声にもう一度ドアの方を見れば、今度はサングラスをかけたスーツの男性がニッコリと微笑みながら立っている。
「プロデューサー!」
「……遅い」
先に声をあげたのは由紀子だった。
「佐野と古川は揃ってるね。それに辻さんも。上田は……今日も遅刻か、全く」
目の前でプロデューサーと呼ばれた男性は人数を確認し始める。
名前からするにもう一人遅刻してくるのだろうか。
そんな事を考えながら恵は口を開く。
「貴方がプロデューサーさんでしょうか?」
「如何にも! 僕がプロデューサーだよ」
ババンと効果音をのせるような勢いでプロデューサーが恵の前に出てくる。
「それにしてもやっぱり僕の目に狂いはなさそうだ……君はきっと輝ける……そう感じてるよ」
「そ、そのことなんですが! 私の合格取り消していただくことは……」
「ええ……それは無理だなぁ。だって君は今から」
「おはようございます」
プロデューサーの言葉を遮る程大きな声と共に扉が開かれ、目の前にいたプロデューサーの頭に扉がぶつかった。
ゴンっという鈍い音と共に、目に飛び込んできたのは……
(……??)
肉が食べたい!と書かれたTシャツを着た女性だった。
(変わった方……)
「上田!! お前、また遅刻だぞ!!」
頭を押さえながらプロデューサーが叫ぶ。
どうやら先程言っていたもう一人の方らしい。
そんなプロデューサーに上田と呼ばれた女性はくすくすと笑った。
「少しくらいいいじゃない」
「全く……遅刻してこない日はないのか。まあ良いか、全員揃ったところで話をさせてもらうぞ」
プロデューサーはヨタヨタと立ち上がると、奥に置いてあったホワイトボードに何か書き込んでいく。
『Rёgulus』
「??」
そこに居た全員が頭にはてなを思い浮かべる中、プロデューサーは笑ってこう言った。
「Rёgulus……お前たち四人のユニット名だ!」
「お前たち四人にはユニットを組んでもらう」
「え、」
恵は驚きながら目を見開いてしまう。
だが、他の三人もそれは同じだったようで各々不満を口にし始めた。
「プロデューサー! ボクは一人でいいよ!」
「は? 無理なんだけど」
「えっ? 私もなのかしら?」
「不満は聞かない! お前たちには明日からRёgulusとして活動してもらう!」
(合格を取り消して欲しかっただけなのに……ど、どうしてこんなことに!?)
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【私、アイドル宣言】
❤可愛くね♡
💛とびきりの愛よ届け!
💙宜しければ名前だけでも
💚覚えてって下さいm(_ _)m
❤💛💙💚(ハイ!)
💛レッスン開始!意気込むけれど
❤歌って💙踊って
❤💙ヘトヘト
💚比較される事もあるけど
💛私は💙私で
💛💙ありたい
❤本気出さなきゃ響かないんだ
💛ファンの心を掴みたいんだ
💚だからスタート全開飛ばしますよ
💙❤💛(You’re my angel!!)
💙可愛くね♡とびきりの愛よ届け!
❤宜しければ名前だけでも
覚えてって下さいm(_ _)m
💙💛💚(ハイ!)
💛あざとくね♡とびきりのスマイルで!
💚宜しければ“推し”にしちゃってくれませんか?
💛💙❤なんてねっ!笑
❤ちょっぴりマジなの
💛期待していいですか?
💙❤💚💛(ハイ!)
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#私アイドル宣言 #CHiCOwithHoneyWorks #Rёgulus
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