靴の先にぶつかったのは、ある程度の厚みのある木片だった。綺麗な長方形のそれをスレッドに載せる。些細なことでもいいから、とにかく情報が欲しかった。ライトで照らしてみても何か文字であったり、特殊な模様やペンキの色などが見られなかったが、数分後に書き込まれた文字列で、事態は急変していく。
『その木、珍しい木目だったから調べてみたらもう絶滅したものみたいだ』
そのURLを私は開くことができなかったが、共有された情報によるとこの木は30年ほど前に、それまで木材として利用し続けたせいで本数が減っていき絶滅したもので、現在加工して出回っているのはまずありえないという話だった。その木片が手元にある。この事実と、寂れた辺りの環境を総合してスレッドでは、『タイムスリップ』の説と『異界、もしくは平行世界への転移』の説が唱えられ始めた。
#ハイセンノウワサ
コメント
まだコメントがありません