【声劇】舞台
登場人物( ) 演奏/ai
【声劇】舞台
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aiさんの演奏する、
シューマンのトロイメライをお借りしました。
一人舞台の想定です。
舞台音楽ってクラシックがすごく良く合う印象があります。
内容は舞台役者を諦めた人物のお話ですが、そうネガティブなものでもないと思っています。
(怒声・泣き・笑い)
の部分は、それぞれにかかる行のセリフにその感情を乗せるも良し、アドリブでそれぞれの感情のセリフを挟むも良し、分けて録音して重ねるも良し
演出はお任せします。
全体的に早めのテンポじゃないと収まらないですが、表現する余地はあると思います。(たぶん)
ひとつの題材の中で 喜怒哀楽 を全て入れ込む
というのはオーディションでありがちな題材な気がするので役者を志す方はやってみて損はありませんぜ。
あ、舞台演技を否定するものではないです。
#シューマン #トロイメライ #クラシック
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駅のホームに立つと、
舞台の上から客席を見下ろしているようでゾワゾワした。
間もなく滑り込んでくる電車が客席を薙ぎ倒したとしても、
舞台上の役者は表情ひとつ変えず、芝居を続けるのだろう。
舞台の上は異世界だ。
一見地続きに見えても、
そこに広がる世界は客席とは全く別物だ。
そこには実在しない人物達が、
実在しない人生を送っている。
例えば冬
「寒い」
と呟く。
客席いっぱいに広がる大きな声で。
呟く?
大きな声で?
呟くとはなんだろう。
舞台の上ではそれが真実なのだ。
主人公が漏らした小さなため息も、
その人生を見守る誰かに伝わらなければ
無かったことも同じなのだ。
向かい合って話す時も体は客席を向いている。
まるで恋人の目を見つめるように天井の照明を見つめる。
ただ自然にそこにいる人物になろうとするほど、
私は声を荒げ、
自然な人物像とは乖離していく。
何度も台詞を追うほどに、
心と言葉はズレていく。
演じるとはなんだろう。
感情とはなんだろう。
私は普段、どうやって怒っていただろう。
(怒声)
何が悲しくて泣いていたんだろう。
(泣き)
どんな時に笑っていただろう。
(笑い)
私はホームを降りた。
客席から光溢れる舞台を見上げる。
なんて素敵な世界なんだろう。
だけどほんの少しだけ、
私は悲しいと感じていたような気がする。
コメント
1件
- かおりちゃんほうじ茶🍵お借りしました☆ 素敵な台本をありがとうございます♪✨