テスラは夢の中
十五月やえ(cv.真衣)
テスラは夢の中
- 57
- 6
- 0
本日9/8はmiSty所属の2年生☁️十五月やえのお誕生日です
マイペースで電波気質、完全に理解することはもはや不可能…!?不思議な感覚派やえちゃんと彼女の家族にスポットを当てたSSと楽曲テスラは夢の中をお楽しみください
高画質版
https://twitter.com/love_live_b/status/1435573804030312450?s=21
【SS】
十五月家に新たな生命が誕生した。
純白の布に包まれた小さなその命はやはりと言うべきか、これからの未来を背負って立つ一員の瞳と言うには少々、いやかなり、目が死んでいた
『やっぱり〜目が死んでるねぇ〜……』
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
柵に囲まれたベッドで寝かされている赤子とよく似ている光の失われた瞳で物珍しそうに見つめる彼女はマイペースな声色で呟く。
長くあんだ黒髪を垂らしベビーベッドの柵に手をかけて上から下までまじまじと品定めをするかの如く覗き込んでいる。
無理もない
17年間ひとりっこである彼女に初めて弟ができたのだ。彼女が園児のような聞き分けのない小さな子供であれば今までいなかった存在に困惑し、自分ばかりを構っていた親の視線が弟にむくことで妬んだりしたかもしれない。
しかし彼女ももう高校2年生。花の17歳だ。まさか、そんなことはあるまい。彼女の頭の中はいまひとつの思考で満たされていた。
突如十五月家に現れたこの小さくて触れれば壊れてしまうガラス細工のような生命体は一体、どこの"キャベツ畑"から収穫してきたのだろう、と。
彼女の長所は素直なところである。しかしそれは同時に短所でもある。思ったことをすぐ口にしてしまうのだ。そして案の定彼女は口にしてしまった。
『ねぇ、パパ ママ〜?このこはどこのキャベツ畑からつれてきたの〜?』
17年手塩にかけて育ててきた娘の質問だ。意図を読み取るのは容易いことであった。しかし、それと同時に困惑もした。彼女は幼い頃に教えた冗談を未だに信じ込んでいたのだ。
『えっと、そうね〜 隣町超えたところの山におっきな農家があってそこから、かしらね〜 ねぇぱぱ??』
『そ、そうだな!今回は大きいキャベツから選んできたからこの子は立派に育つぞ、な!まま!!』
慌てふためる両親が面白くて思わず吹き出しそうになる。もちろん常にポーカーフェイスの彼女の表情筋が崩れるわけもないが。
『冗談だよ〜 ぱぱもままも仲が良くてうれしいね〜九重?』
九重と呼ばれたその赤ん坊は理解できるはずもないのに元気よくだぁ!と発する。
『九重……その子の名前かい? いい名前じゃないか』
『もう!皆で決めようと思ってママ楽しみにしてたのに!!』
『まあまあ、いいじゃないか まま 僕らもまだ決めていなかったんだからさ』
『そういえば〜なんとな〜く九重って呼んだけど……やーの名前の由来ってあるの?』
『もちろんよ!やえちゃんはひらがなだけどね、漢字で書くと八愛って書くの。やえちゃんが生まれた時にどの漢字をあてるか何時間も悩んだのよ?』
『そうだね、他にも八恵とか八重とか色々悩んだよ。本当にまるで昨日のように思い出せるよ、やえちゃんが生まれて17年も経つのか……あんなに小さかったやえちゃんがこんなに立派な高校生になって……ぱぱもままも嬉しいよ』
『ん〜?でも何時間も悩んだのにやーはひらがなだよ〜?どうして〜?』
『それはね、やえって名前に全部の意味を込めたからだよ。愛も恵もすべて八重になってこの子を、やえを包み込んでくれますようにって思いを込めてつけた。だからやえちゃんはやえって名前になったんだよ。』
『そうだったんだ〜 ねえそんなにや〜の名前に悩んだのに九重ってすぐ決定しちゃっていいの〜?』
『ふふ、愛も恵も八重になって育ったやえちゃんがつけた名前だもの、その子もきっと同じようになるわ。』
『でも九重だからやーの上位互換だ〜 負けちゃった〜』
柵の中で小さな命がきゃっきゃと楽しそうに笑みを浮かべる。十五月家は本日も幸せな家庭を築くのであった。
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
【歌詞】
おもちゃの兵隊が木々をかき分けて
パッパラ、口笛を吹いてさ
そんな夢の続きが今、ボクを引き止めて
さっきからまるで眠くないんだよ
顔、体形、瞳の色、髪型じゃわからない
ハリボテの日々を行け
ボクもこんな風に出来るはず
麒麟児にゃ努力も欠かせない
何千何百回繰り返してさ
生まれた命だよ、さあ I'll go
#或伴奏 #コンパス #ニコラテスラ #或伴奏 #コンパス #ニコラテスラ #ラブライブブロッサム
コメント
まだコメントがありません