初めてのお仕事の日____。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ターゲットを壁へと追い詰めていく泣きピエロに、どこから取り出したのかナイフを用意し始めた美しい女性。そしてそのナイフを手渡された、白髪の少女。
そう、今日はわたしの、初めてのお仕事の日。
「妹ちゃん、よく見てろよ〜?」
「怖がらなくても大丈夫よ、こっちへおいで」
声のする方へ寄ると、息も絶え絶えな男の人。そして優しい笑顔で手招く兄様、姉様。
「ちょっと、コイツなんにも喋らなくなっちゃったじゃないの!!」
「ちょっと怖がらせすぎたかもな〜、わりぃ」
場に合わずこんな会話をするふたりを見ていると、これからする事への怖さも、少しの緊張も、ぜーんぶ消えていく。
もうお話も終わったのであろう、
「アンタ今にも死にそうだけど助けて欲しいかァ?」
ニタリと兄様が嗤うと、かわいそうに、怯えきった男の人はぶんぶんと首を振る。
あとすこし、すこしでわたしも「大人」の仲間入り。帰ったら沢山褒めて貰うんだ、ママにパパ。そして、団長さま。
「さぁしおせ、救ってあげなさいな」
姉様がわたしの背中を押す。ふわり、いつもの安心する匂い。
....うん、ちゃーんとできるよ。大好きな貴方たちみたいに。絶対に失敗なんてしない、やり遂げてみせる。
コメント
まだコメントがありません