メランコリーキッチン
👁🗨(cv.結衣華)、📿(cv.名無しの権兵衛)
メランコリーキッチン
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⚠️こちらは雰囲気真似サウンドです⚠️
食事という行為に何かを見出してたわけじゃない。
誰かと一緒にご飯が食べたい、なんて。そんな歳でもないし。
……ただ、ひとりになってみて、味気ないなと思っただけで。
Cast
👁🗨五条悟:結衣華
📿夏油傑:名無しの権兵衛
↳ https://nana-music.com/users/6020661
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👁🗨あなたの横顔や髪の色が
静かな机に並んで見えた
少し薄味のポテトの中
塩っけ多すぎたパスタの中
📿あなたがそばにいない夜の底で
嫌ってほど自分の小ささを見た
下らない諍いや涙の中
おどけて笑ったその顔の中
📿誰もいないキッチン 靡かないカーテン
いえない いえないな
✨独りでいいやなんて
👁🗨話そう声を出して 明るい未来について
間違えて凍えてもそばにいれるように
✨笑って 笑って 笑って そうやって
きっと魔法にかかったように世界は作り変わって
👁🗨この部屋に立ちこめた救えない憂鬱を
📿おいしそうによく噛んであなたはのみ込んだ
👁🗨それにどれだけ救われたことか 多分あなたは知らないな
📿明日会えたらそのときは
✨素直になれたらいいな
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光の届かない、誰もいない空間に―正確に言えば、あちこちに悪趣味なものは転がっているのだが―ひとり閉じ込められてから、どれくらいの時間が経っただろうか。
最強だから、と大口を叩いておいてあっさり捕まってしまっているのだからどうしようもない。まあ、最強とはいえど一応人間なので、しくじることの一度や二度あっても問題はないだろう。
それに、自身の生徒たちはきっと、この状況を何とかしようと動いてくれるはずなので。心配こそすれど不安はない。だから待っていよう。
それが、五条の結論だった。
それにしても、と。待つのを決めたはいいがすることもなくて、その場に身を投げだした彼はぼんやりと先の光景を思い出す。
目に映ったのは、かつての に似た、ナニカ。
どうしようもない程似ているのに、自分自身の感情がそうではないと否定したアレは、今この瞬間周りにあるものなんて気にならないほどに悪趣味で、不愉快だった。
『や、悟。久しいね』
あの時と変わらない姿形で、何事もなかったかのような穏やかな声で、そう話しかけるのだから。
知れず噛み締めた奥歯が、ギリと音を立てる。
くだらないことで笑いあった日。
馬鹿みたいに殴り合った日。
悩み抜いて、未来について考えて、決別した日。
"救えない"という事実が立ち塞がったあの日から、一切時が進んでいないようなその光景は、目眩がするほど欲していたもので、吐き気がするほど遠ざけたかった。
「……お前にまた会うのは、もっと先で良かったんだよ、傑」
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