【閲覧禁止】
青
【閲覧禁止】
- 3
- 0
- 0
─────────────
ぺトリコール
ビニール傘のばたつき
雫を垂らす自動販売機
北区自然公園、西公衆トイレ前。
丸太だけで作られた休憩所、僕は──いや、僕らは雨の降る木曜日、そこへ足を運ぶ。
「また来たんだね。」
「あなたこそ。必ず僕より先にいる。」
名前も、どこで何をしているのかも、僕は知らない。……けど、この人は決まって白くて丈の長い羽織りを着て、雨の降る木曜日にここにいる。
「今日も学校はサボりかい?」
「……明日は、行きます。」
背負う鞄の肩紐を無意識に握りしめた。水を吸ってやんわりと布に染み付いた家の匂いが鼻を撫でていく。
「まぁ、そんな日もあるさね。今日は雨だ、仕方ない。」
「雨の日が今日じゃなかったら、あなたはここにいないんですか?」
「さぁ?晴れている日に来てみたらいい。それじゃあ今日はこの辺で失礼するよ。」
雨の降る木曜日、僕は決まってここにいる。
コメント
まだコメントがありません