本編第3話①
歪み
本編第3話①
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#幻想月華 #声劇 #和風 #イヤホンヘッドフォン推奨
お久しぶりです。
大変長らくお待たせ致しました。
幻想月華〜神代の唄〜活動再開です。
長い間休止状態になってしまい大変申し訳ありませんでした。
たくさんの方の御協力のおかげで活動を再開することができました、本当にありがとうございます。
改めて、これからも真白達の物語を見守っていただけると幸いです。よろしくお願い致します。
そして本日5月5日は月宮碧の誕生日!!!
おめでとう(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ☆♪
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(本編第3話①〜歪み〜)
突如虚空より現れた襲撃者。明らかに他の妖とは違う『異質』な何かだった。
妖自体が人からしたら充分異質なものであるはずなのだが、それとは桁が違う。
神格のような、しかし邪悪な闇の塊のような...
麻衣達3人は一目見てはっきりわかってしまった。
(麻衣)「私達3人でも...かなわない...」
(碧)「あいつは一体...?」
それは不思議な出で立ちをしていた。
中性的な体つきに、狩衣と巫女服を合わせたような不思議な服装。
手に持つ脇差の刃が月の光を浴びて不気味に光る。
そして何より異質なのが顔を覆い隠す狐面。目の部分から不気味な赤い光が漏れ、更に『それ』が人ではないことを際だてている。
それはしばらく麻衣達を屋根の上から見下ろしていたが辺りを見渡しふふっと小さく笑っ
た。
(??)「ふん...ここは朱雀の村ときいたのだが...他にも2匹...四神の民はいつの間に自分の
村すら守れないほど落ちぶれたのだ?」
それは明らかに嘲笑だった。
麻衣は朱雀の次期後継者として民を守るためにと教育されてきたにもかかわらず、まだ完璧に力を使いこなせるわけではないし1人では敵を殲滅しきれなかった。
(麻衣)「...くっ...」
言い返せない麻衣は自分が未熟者だと痛感し、悔しそうに俯くしかできなかった。
(碧)「っ!?このっ!!」
(麻衣)「っ!?やめなさい碧!!」
あまりに酷い侮辱に碧が麻衣の静止を振り切り狐面の人物に向かってとびかかる。
術により身体を強化している碧は屋根の上へ一気に飛び上がる。
その攻撃は子供のものとはいえはやく重い一撃。いくら大人とはいえ無事ではすまないだろう。
しかし...
(狐面)「ふん、この程度か?」
(碧)「くっ...そ...!」
鍔迫り合いにもちこむも碧は全く刀を動かせない。相手はただの脇差だというのに。
歯を食いしばり力をこめる碧と片手で優雅に舞うように刀を受け止める狐面。
力の差は明らかだった。
(狐面)「獣の分際で神に逆らうとは...愚か者め!!」
(碧)「うわあっ!!!」
(麻衣)「碧!!!」
とうとう碧が押し負け、吹き飛ばされる。
そのまま落下する碧。どうにか受身をとるがさらに追撃を行うため狐面が迫る。
(狐面)「冥府で自分の行いを悔やむといい...」
(麻衣)「碧!!」
...しかしその攻撃は碧には届かなかった。
晴明が凄まじいはやさで間に割り込み攻撃をはじいたからだ。
手に握られているのは晴明の心を具現化した刀『心刀:氷天』
安倍晴明は名高い陰陽師であると同時に心を刀に具現化し戦う『心刀術』の唯一の使い手でもある。
この術はかなり高度なもので、都の陰陽師の中で使いこなせるのは晴明のみだ。
(麻衣)「師匠...!」
(晴明)「お前たちよくやった、あとは任せるんだ。」
麻衣達は安堵し、碧を助け起こし睨み合う2人を見つめる。
晴明の実力ならば大丈夫だろう、いつもしごかれている3人はそう確信していた。
(狐面)「...ちっ…面倒な...。」
(晴明)「...お前、何者だ?」
(狐面)「お主が知る必要はないだろう?」
狐面の人物は晴明を煽るような言い方をするが晴明は眉1つ動かさない。
ただ静かに刀を構なおし、敵に冷たい切っ先をむける。
(晴明)「手荒なことはあまりしたくはないが...仕方ないな。」
晴明の心刀の属性は『氷』。
冷たくただ静かな輝きを放つ。
(晴明)「四神を愚弄した罪、その身をもって償え。」
その刀の名は『氷天』。
天すら凍らせる冷たき、鋭き刀。
それはまるで晴明『そのもの』をあらわしているかのように...
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