【朗読コラボ】はるのひのゆび

音楽：ぬる　詩：ちょむ　声：ちょむ、瀬良

ぬるさんの演奏をお借りして ちょむさんと一緒に詩を朗読しました。 以前、ちょむさんと一緒に何かしたいなぁと呟いていたんですが、この度ちょむさんが詩を作ったのでとご連絡をくださり…こうして念願叶いました… ぬるさんの演奏も聴く度にイメージを広げられました。 御二方ともありがとうございました！ 🌿こちらでは振り分け後の詩を記載します。 原詩も是非お読みくださいませ！ (https://twitter.com/knmrchom/status/1387435530124546050?s=21) 🌿ちょむさん https://nana-music.com/users/7339467 「はるのひのゆび」 原詩：ちょむ 振り分け・演出等：瀬良、ちょむ ※敬称略 △東雲(しののめ)の番(つが)えた矢羽(やばね)に 　精錬される風見鶏 ▲雪の産毛を梳(す)いたあの山の彼方は晴れているか 　寝そべった重機の首(こうべ)で 　朗々と 　　△欠伸を ◎ひとつ ▲床ずれの斑紋(はんもん) △芽吹き出すカーブミラー群 ▲膨らんだ水面(みなも)が震え 　溢さぬよう　上を向く 　　　　　△遠く　　どこまでも　曳かれていった 吹き流しの　 ◎ひかり ゆびよ　ゆびよ　　はるのひのゆびよ 　ゆびよ　ゆびよ　はるのひのゆびよ △ほのめき　よだち　おののき　たわむれ ▲【さきつぎ　よられ　うらがれ　ほつれ】 　　 　　　　　　とけ　　おつる　　しろふぉん と　と　とく　　さりゆく　ね 　　　　　わたる　みどりのべる ささ、さり　　ゆく　　　　ね　とけ ゆびよ　ゆびよ　　　はるのひの　ゆびよ 　ゆびよ　ゆびよ　　はるのひの　ゆびよ ▲さきつぎ　よられ　うらがれ　ほつれ △【ほのめき　よだち　おののき　たわむれ】 △うまれ　また　あまれくる 　ひのわの　にじみ ▲みずにいろうと　おまえは　また 　うおの　めを　あく ※「はるのひのゆびよ」「みずにいろうと〜」 ・・大手拓次『藍色の蟇』「湿気の春の日の女のゆび」より引用 青空文庫→ https://www.aozora.gr.jp/cards/000190/files/1029_20618.html （以下全文引用) 　　春の日の女のゆび この　ぬるぬるとした空気のゆめのなかに、 かずかずのをんなの指といふ指は よろこびにふるへながら　かすかにしめりつつ、 ほのかにあせばんでしづまり、 しろい丁字草 ちやうじさう のにほひをかくして　のがれゆき、 ときめく波のやうに　おびえる死人の薔薇をあらはにする。 それは　みづからでた魚 うを のやうにぬれて　なまめかしくひかり、 ところどころに眼をあけて　ほのめきをむさぼる。 ゆびよ　ゆびよ　春のひのゆびよ、 おまへは　ふたたびみづにいらうとする魚 うを である。